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【ライヴレポート】高橋まこと率いるJET SET BOYS、「死ぬまでやるから」

BARKS 7月10日(日)19時13分配信

1stアルバム『JET SET BOYS』を携え、強者だらけの新人バンドJET SET BOYSが7月3日、初の全国ツアー<JET SET BOYS LIVE TOUR 2016「JET SET BOYS」>のファイナル公演を東京EX THATER ROPPONGIにて開催した。それぞれのキャリア、その研ぎ澄まされた個性がどんどん混ざり合うことで、JET SET BOYSという唯一無二の音楽世界を構築していったツアーの最終日は、ライブ終了後にバンドを代表して高橋まこと(Dr)が「まだ続きます。JET SET BOYSをよろしくお願いします」と丁寧に挨拶。今後も、4人がJET SET BOYSとしてのバンド活動を継続していくことをはっきりと宣言し、ファンを喜ばせた。

◆JET SET BOYS 画像

17時、開演時間になると往年のロック王道ナンバーを流していたBGMがアルバム『JET SET BOYS』のオープニングを飾るインスト曲「HI!VOIR」にシームレスにスライドすると、メンバーが次々と舞台に登場。今回は、これまでのライブハウスとは違ってステージ幅も奥行きもあり、フロアはシーティング仕様になっているなど、椎名慶治(Vo)曰く「舞台も客席も、ご年配にもやさしい親切設定」だ。

開演と同時に椅子席から立ち上がったファンは、“タンタン”と高橋のスネアが聴こえてくると一斉にハンドクラップを鳴らし、ライブは「ZIPPER DOWN」で勢いよく幕開け。そこからアルバムと同じように「LAVIATHAN」へとつないで、歌詞同様“強く速く熱い”サウンドで、縦ノリと横ノリが混ざり合ったようなJET SET BOYSならではのビートを堂々見せつけていく。

その化学反応がツアーでさらに色濃く出るようになったのが次の曲だ。高橋が椅子から立ち上がり、メンバー4人が大声で“ウォーオーオー”とシンガロングするところから始まる「GET SET」は、高橋の少し前のめり気味のビートとtatsu(B)が鳴らすファンキーなトリッキーフレーズが混ざり合って独特のうねりを場内に作り出す。それをステージ前方に出ていった椎名が“1、2、3~”とカウントして歌う歌詞のなかで最もキャッチーな部分を客席にふって歌わせるなど、ベテランならではの粋なテクニックで次々と観客を魅了。高橋はトレードマークのサングラスをかけ、その様子を笑顔で後ろから見守る。

椎名が「ファイナル公演へようこそ」と第一声を発したあとは、ライブの進行について「俺が、“ここでコーラス歌うよ”とふっていく親切設定と、ふらないでいく不親切設定、どっちがいい?」という問いかけから、本日のライブが「親切設定」でいくことに決まったところで、次の曲へ。

「ROOM 504」からはエロティックな大人ソウルゾーンへ突入だ。友森昭一(G)のファンキーなカッティングと高橋のシャープなビート、tatsuのねばりつくようなベースがイヤラしくいびつに絡み合うなか、椎名が腰を揺らし、指を体に這わせ艶かしいパフォーマンスと歌でオーディエンスを挑発する「ROOM 504」は、粘着度がライブのたびに増幅。その粘着度をさらに3連のスローに落とし込んでの「STRAYED」では、椎名が男泣きのロストラブソングをエモーショナルに歌い上げて見せ、客席からは大きな拍手がわき起こった。続けて披露された新曲「IT’S CALLED LOVE」は、たとえ忘れてしまったとしても未来で君のことを見つけ出す、君が笑ってくれたら他に何もいらないと究極の愛を歌うミディアムナンバーだ。この曲はこれまでの彼らにはない大きなメロディーが印象的な楽曲で、この曲が始まるとたちまち場内が明るい開放感に包まれていった。

ライブは、新人バンドということで(笑)、メンバー紹介がスタート。まず、「すでにレコーディングしたさっきの新曲、どうするの?」という椎名の問いかけに高橋が、「早目に出したいと思います」と話して、ファンを喜ばせる。「つまりJET SET BOYSは今日で終わりじゃない。誰かが死ぬまでやるから」と椎名が言うと、高橋が“チーン”とシンバルを鳴らす。「誰が最初に死ぬんだよ」とtatsuがその話にのっかると、椎名が「この間tatsuさんと話してたら、こっち(高橋)よりもあっち(友森)のほうが先なんじゃないかって話になったんですよ(笑)」と、その流れで友森に話をつなぐと、見事にそれをぶった切るように、「水素水製造機なんだけどさ」と健康気遣いトークを始めるなど、友森の自由人っぷりには、メンバーも場内も大爆笑。

こうして場内がリラックスムードに包まれたところで、椎名のソロ曲「コンティニュー?」、そして新曲「WHO AM I?」とアルバム未収録曲をたて続けにパフォーマンス。「WHO AM I?」は“オーオー”のコーラスをコール&レスポンスで歌わせ、初聞きにも関わらず場内に一体感ある盛り上がりを作り出して、メンバーのソロコーナーへとつないだ。

ここでは、高橋がドラム台を飛び出し、舞台の床を叩いてフロントまで出てくる(椎名に「床の点検までしてるよ」とイジられる場面も)という広い会場ならではのパフォーマンスで観客を喜ばせ、そのあとは、椎名が「下手、上手、ティモテ」と笑いでオーディエンスのハートがガッチリつかみつつ、客席を二手に分けて、観客の歌声を見事にハモらせるなど、中盤はライブならではのお楽しみコーナーを連発。

場内が盛り上がってきたところで「BAD COMPANY」へ。このポジションに置かれたことで、「BAD COMPANY」はツアーでキラーチューンとして威力を発揮するナンバーへと大成長を遂げた。そして、そこに駄目押しで高橋の黄金の8ビートが炸裂する「PASTA」を投入し、オーディエンスを縦ノリでアゲ倒していったシーンは圧巻の一言。革ジャンを着たパンキッシュな高橋ファンが拳を勢いよく振り上げるなか、とことんエフェクトした椎名のボーカルを乗せて加速していくビートに全員が身を委ね、場内は狂喜乱舞。興奮した椎名が「東京、食べたりなーい。もう少しくれ! HEY! まことっ!」とおかわりをおねだりしてメンバーを煽ると、ビートはさらに大暴走。ライブならではのバンドの激しいテンション感に魅せられ、観客はどこまでも高揚していった。

メンバーがJET SET BOYS初のツアーを振り返るMCでは、高橋が「久しぶりのバンドのツアーで、とても楽しかった」と話すと、続けてtatsuが「まことさんはライブをやればやるほどパワーアップしていくんですよ」と最年長プレーヤーにリスペクトを込めて笑顔だ。椎名が「そのパワーに俺自身、いつも背中を押されてましたからね」と話をまとめようとしたところに、友森が「こうなったら俺とまことさん(どっちが先に逝くのか)我慢大会だな。線香花火もね、一番最後に散るときが綺麗じゃん?」と話し、すかさず椎名が「やめなさい」と止めに入り観客を笑わせた。「ほんっと、こんな4人なんです」と最年少の椎名は苦笑い。そして、「ツアーは終わってしまいますけど、いまの気持ちにピッタリな曲を」と「STANDING THERE」をパワフルに熱唱。そこで浸らせず、本編最後は「THE THEME OF JET SET BOYS」でスパッと終わらせるところがなんとも彼ららしい。

アンコールに迎えられ、再びメンバーが舞台に登場。ここでは高橋がまず観客に感謝の気持ちを伝え、「俺はドラマーで、他の3人に助けてもらってこのバンドができてます」と、高橋自身の口から改めてメンバーを紹介した。ギタリストの友森は「初めて一緒にレコーディングしたとき、1万円のギターを持ってきた(笑)、変態でトリッキーな音を鳴らす面白いやつ」、ベースのtatsuは「リズムのうねうねっとしたところを思いきり弾きまくるやつ」、そしてボーカルの椎名は「歌に惚れ込んで。バンドやるならコイツしかいないと思った。歌がうまくて喋りもうまいやつ」。その後、高橋の「盛り上がってくれ!」という合図で、「HI!VOIR」でアンコールがスタートした。

この日2回目のアクトとなった「ZIPPER DOWN」をタオル回しバージョンで届けた後は「ツアーファイナル、見届けてくれてありがとう」と椎名が静かに語り始める。「本当にいろいろあって。JET SET BOYS、最初は口約束から始まったバンドが、こうしてCDを出して、ツアーまでやって。本当に忘れられないライブになりました。まだまだJET SET BOYSはレコーディングもすでにやってますし。またみんなが見たい、聴きたいと思えるようなものを作っていきたいと思います」と次のアクションを予感させた。

そんな彼の言葉に、客席からは惜しみない拍手が送られ、ラストナンバー「SAYONARA」へ。“お前の人生 そんな悪くないよ”というメッセージを深く刻み込んだ後、最後に高橋が「まだ続きます。JET SET BOYSをよろしくお願いします」と冒頭に記した言葉をファンにきっちり宣言して、ツアーファイナルが幕を閉じた。

取材・文◎東條祥恵 撮影◎石黒淳二

■ツアー<JET SET BOYS LIVE TOUR 2016「JET SET BOYS」>2016.7.3(sun)@東京・EX THEATER ROPPONGIセットリスト
01.ZIPPER DOWN
02.LEVIATHAN
03.GET SET
04.ROOM 504
05.STRAYED
06.IT'S CALLED LOVE  ※新曲
07.コンティニュー? ※椎名慶治ソロ楽曲
08.WHO AM I? ※新曲
09.HI!CENTER-interlude-
10.PROMENADE
11.BAD COMPANY
12.PASTA
13.STANDING THERE
14.THE THEME OF JET SET BOYS
encore
15.HI!VOIR
16.ZIPPER DOWN
17.SAYONARA

最終更新:7月10日(日)19時13分

BARKS