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子育て支援充実を 「政府、本気になって」

カナロコ by 神奈川新聞 7月10日(日)7時3分配信

 「こういう施設が欲しかった」-。開成町の小田急線開成駅前に4月に開所した子育て支援センター。おもちゃや絵本がそろうプレールームで、1歳7カ月の次男と遊ぶ小島陽子さん(35)がほほ笑む。

 開成町は町南部の土地区画整理事業や同駅周辺のマンション開発で若い世代が流入、2013年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの平均数)が県内トップの1・68を記録した。小島さんも結婚を機に、同町の夫(35)の実家近くに転居。小学1年の長男(6)と次男の育児に奮闘する毎日だ。

 「自分はかなり恵まれている」と改めて実感したのは、匿名のブログ記事「保育園落ちた日本死ね!!!」が話題になった今年2月。長男は保育園の一時保育利用後にすんなりと入園でき、待機児童問題に直面することはなかった。保育士だった母の苦労を知っているため、「保育士の処遇をもっと改善すべき」とは思うものの、悲鳴を上げる同じ子育て世代の横浜や都内の友人らとは置かれている状況が異なると感じている。

 小野佳美さん(35)も、子育て環境の充実ぶりに満足している一人だ。この町に住んで約3年。長男(5)が通う幼稚園には年次途中で入園してくる子どもも多く、「同じ世代の友達が増えるのは、子どもにとっても、親にとっても良いこと」と実感する。

 ただ、長女(2)の入園時には、3年保育の導入が間に合いそうもない。国や自治体の台所事情が苦しいのは理解しているが、国が旗を振る施策の“恩恵”がタイミングによって受けられないことに不満はある。それでも、大都市に比べ良好な育児環境にいることを自覚している。

 多くの市町村が人口減少に直面する中、県内で唯一、確実な人口増加を見込む開成町。同じ県西部に位置し都心から電車で1時間半ほどでありながら、人口減に歯止めがかからない箱根町は状況が大きく異なる。

 夫(37)とともに箱根育ちの杉山茜さん(37)は、自然が豊かな環境で子どもをのびのび育てたいと、結婚を機に箱根へ転居。今は中学2年の長男(14)と小学5年の長女(10)を含む4人で、同町が16歳未満の子を持つ町民らに低価格で貸し出す「子育て勤労者支援住宅」に暮らす。

 「町の支援策は充実しており、満足している」とは思うが、2人の子どもの将来を考えると不安があるのも確かだ。町の出生率は13年(0・74)、14年(0・75)と、2年連続で県内ワーストで、杉山さんは「出生率が低ければ人口も税収も減る。子どもたちが大人になったとき、町がどんな状況になっているのか…」。

 参院選で各政党が声高に叫ぶ子育て支援策の充実。安倍政権は「地方創生」で2060年時点の人口1億人維持を打ち出しているが、足元の人口減社会を目の当たりにし、将来の安心感は薄い。だからこそ、政府に望む。「子どもたちのためにも、少子高齢化対策に本気になってほしい」

最終更新:7月10日(日)7時3分

カナロコ by 神奈川新聞