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上昇指向失う韓国の若者たち 封建化する社会に危機感

ハンギョレ新聞 7月10日(日)8時16分配信

1999~2015年の20万人の調査を分析した結果 高麗大研究チームが社会学大会で発表 低い上昇指向を深刻に受けとめねば

 社会構成員の大多数が、自分はもちろん子供の世代にも社会での階層上昇を期待していない事実を実証的に示す研究結果が出された。

 今回の研究は、統計庁が1999年から2015年まで実施した「社会調査」での20万人の標本を分析したもので、その結果が示唆するものも大きいが、長期間による時系列の資料を通じて「可能性の認識」を読み取った非常に稀な学術的試みであるため、一層注目される。高麗大のイ・ワンウォン応用文化研究所研究員とキム・ムンチョ名誉教授(社会学)は、韓国社会学会・前期社会学大会で発表した共同研究論文「韓国人の上昇指向に対する意識:年齢(Age)・期間(Period)・コホート(Cohort)の効果を中心に」で、社会の様相を「個人がいくら努力しても(階層)の上昇はできないという認識、自分の子供はなおさら無理という現実の認識が広がっている」と要約した。

 研究チームは、統計庁が1999年から実施した世代間・世代内における上昇指向の意識調査結果を活用した。統計庁は「韓国社会で一生努力すれば個人の社会経済的地位が高まる可能性がありますか?」、「韓国社会で現在の親の世代より次の子供の世代の社会経済的地位が高まる可能性はどれほどあると思いますか?」という質問を通じて、それぞれ「世代内」(intra-generational)と「世代間」(inter-generational)の上昇指向の意識を調査してきた。前者は自分の努力を通じた階層上昇の可能性を求めているのに対し、後者は資源分布の変化の可能性に対する期待を把握しようとしている。「これらの質問項目は社会の構造と背景に対する個人の判断と認識を意味することから重要だ」。研究チームは統計庁資料の中から18歳以上80歳以下の22万4715人の標本を分析した。

 まず世代内の上昇指向の意識を見ると、15年の平均値は29.4%だった。99年以降、世代内で上昇が可能と信じる韓国人は3人のうち1人に過ぎないことを意味する。残りの2人は上昇する可能性を最初から信じなかったり、判断不能の状況にあるものとみられる。こうした意識は15年間大きな変化がないまま固定化しようとしている。年齢層としては、大学進学前後、つまり世間をよく知らない20代前半で最も高くなり、求職以降に年齢を重ねるほど減少した。

 反面、世代間の上昇指向の意識の15年の平均値は40.6%で、世代内の意識よりはるかに高かった。「国民の40%は(97年)通貨危機後も、子供の世代の上昇の可能性を信じてきたことを意味する」。「子供は親よりよくなる」との期待がピークに達した年は国際金融危機直後の2009年で、国民の半分近くの48%が肯定的な回答をした。しかし、その後は目に見えて落ち込み、2015年の平均値は32%に過ぎなかった。子供の世代の階層上昇に希望をもつ人は3人のうち1人にしかならない。

 当初行われていた世代内・世代間の上昇指向の意識調査は、時間が経つにつれ似たような流れで収斂される様相を示している。両意識の差は2006年を基準に縮小し始め、最近は変動の様相が似ている(グラフ参照)。さらに注目すべきは「2008年以降、二つの上昇指向の意識が(並んで)持続的に落ちている」現象だ。通貨危機後も揺らがなかった子供の世代の階層上昇の可能性に懐疑的な人が増えている実態が見てとれる。

 「推論できるのは2008年の金融危機以降も信じられた経済的希望が、その後の長期不況で失望に変わり、社会構造全般で上昇指向の可能性が疑われ始めたためではないかと思う」

 研究チームは「三放」(恋愛・結婚・出産を諦める世代)、「五放」を超えて「七放」、「金の匙・土の匙論」(生まれながらの格差)まで登場した今日の青年世代を深く憂慮した。未来を希望と認識できない喪失と挫折、放棄に代表されるこの世代の「低い上昇指向の意識が社会に投げかける意味をより深刻に受けとめなくてはならない」。階層上昇のはしごが外された社会は、すでに再封建化の道に入り込んでいるのかもしれない。その道の行き着くところに何が待ち構えているのか熟慮することが求められている。

カン・ヒチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月10日(日)8時16分

ハンギョレ新聞