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池に消えたリオ五輪切符 「届かなかった」渡邉彩香の嗚咽

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO) 7月11日(月)10時46分配信

リオへの道は悲劇的に断たれた。カリフォルニア州のコーデバルGCで行われた「全米女子オープン」最終日。イーブンパーの20位タイからスタートした渡邉彩香は「76」とスコアを落とし、通算4オーバーの38位でフィニッシュした。今大会終了後の最新世界ランキングで45位に上昇したが、日本勢2番手の大山志保(世界ランク43位)をとらえきれず、8月の「リオデジャネイロ五輪」代表にあと一歩及ばなかった。

【画像】渡邉彩香は束ねた髪を引っ張ることが多い

最終18番(パー5)、ピンまでは残り65ydの第3打。ウェッジで慎重に放った一打は無情にもグリーンエッジから転がり落ちた。手前の池に消えたボールを静かに目にし、渡邉は沈痛な顔を浮かべた。

「パーなら、ちょっとの差でリオに行けないかもしれないという思いがあった。ちょっとの差で行けないのは悔しいし、絶対大丈夫と思えるスコアにしたいと思っていた」。ボランティアによる手動表示のため、選手個々の正確な順位を把握しにくいリーダーボード。上位選手以外はその時々のポジションを知る由もないが、今大会で予選落ちした2番手の大山を抜くためには、この最終ホールでバーディが必要と感じていた。

中盤9番(パー5)で、深いラフからの2打目をクリークに入れるなどダブルボギー。11番、13番のボギーで逆転五輪のチャンスは早々に消えたかに思われたが、15番(パー5)でバンカーからの3打目を寄せ、16番(パー3)では手前のフェアウェイからパターで10mをねじ込んで、窮地からの2連続バーディで可能性を残した。17番は1Wショットを右サイドのハザードに打ち込みながら奪ったナイスボギー。「最後の5ホールはリオを意識したプレーになった」という。

だからこそ最終局面でのプレーに涙が止まらなかった。「正直、はじめて、たぶん、あんなに緊張したと思う。いままで味わったことのない感覚だった」。途切れ途切れとなった言葉で振り返るその重圧。日本で何度も経験してきた優勝争いともまた異質で、比較にならなかった。

「(18番3打目は)当たりは悪くなかったけれど、出球が思ったより弱かった。しっかり70ydくらい打つつもりでいたけれど…届かなかったです」と声を震わせた。

リオへの距離はあとわずかに違いなかったが、渡邉はその“数ヤード”の差を「ああいうプレッシャーの中でミスをしてしまう自分が弱いところ」と、正面から重く受け止めた。

「ここまで来れていたので、リオに行けないのは残念ですけど、きっとこれは4年後のオリンピックの争いに活きると思う。この悔しさを忘れずに4年間いられたらいいと思います」。涙を拭き、最後は凛とした佇まいではっきりと言葉にした。4年後の夏はまだ、26歳だ。(カリフォルニア州サンマーティン/桂川洋一)

最終更新:7月11日(月)16時5分

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)