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人間椅子 新宿で魅せた灼熱地獄、ワンマンツアー『地獄の道化師』東京公演を開催

エキサイトミュージック 7/11(月) 12:00配信

7月10日(日)、東京・新宿ReNYにて、人間椅子の2016年夏のワンマンツアー『地獄の道化師』がひとつのクライマックスを迎えた。

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6月29日に長野・CLUB JUNK BOXで幕を開けた本ツアーは、全国各地で熱狂の渦を生み出し、いよいよ終盤戦へ。発売後即ソールドアウトとなったここ新宿ReNYでも、彼らのトリックスターのごとき変幻自在の演奏は、多くのオーディエンスの心を掴んで離さなかった。なお、本公演の模様はニコニコ生放送にて生配信され、約33,000名の来場者数を記録している。

午後6時頃、場内が暗転。SE「此岸御詠歌」の鈴の音がちりんと鳴ると、オーディエンスの期待と緊張感が一段と高まる。和嶋慎治(Gt,Vo)、鈴木研一(Ba,Vo)、ナカジマノブ(Dr,Vo)の3名がステージに現れると、「待ってました!」とばかりに大きな拍手と歓声が送られる。

1曲目の「雪女」で早くも一体感が生まれ、続く「怪人二十面相」で一気にミステリアスな雰囲気が場内を支配する。和嶋が表情豊かにギターをかき鳴らし、鈴木が極太のベースを轟かせ、ナカジマがパワフルなドラムで魅了する。今夜も3人の息はぴったりで、観ていて爽快な気分になる。観客はもちろん、新宿ReNYという会場自体も彼らの音と歌声を浴びて喜んでいるかのようだ。

スリルのある演奏と和やかなMCとの対比が今日も面白い。さらには「宇宙からの色」での銅鑼や「狂気山脈」でのテルミンなど、視覚的にも愉しませることを忘れない彼ら。「夜叉ヶ池」で和嶋がダブルネックギターを奏でる場面などは、幻惑のロック空間が築かれてゆく様を見るようだった。現在ツアー中のため、詳細を語ることは控えておくが、新旧織り交ぜた楽曲で絢爛豪華に構成されたセットリストがたまらない。

「恐怖の大王」等、現時点での最新作『怪談 そして死とエロス』からの名曲を随所に挟みつつも、鈴木が不気味に笑う「踊る一寸法師」等の絶妙の選曲でオーディエンスを唸らせる人間椅子。ナカジマが高らかに歌う「超能力があったなら」を合図に、終盤も怒涛の勢いで会場を揺らし、本編最後の一発「針の山」で灼熱の空間が完成する頃には、時計は午後8時過ぎを指していた。

強烈な余韻に包まれながら、アンコールに突入。へヴィかつキャッチーな楽曲で畳みかけると、観客の興奮は最高潮に達した。長年彼らの音楽とともに歩んできた者はもちろん、近年新たに彼らの虜となった者も深く楽しむことのできる趣向となった。

二度目のアンコールに応えて再びステージに現れた3人の表情は誇らしげだ。最後の1曲は「なまはげ」。人間椅子の深遠な美学を感じることのできるこの曲に浸りながら、観客は地獄のように刺激的な2時間半の宴を噛みしめていた。

この夏のワンマンツアーは、8月9日の仙台CLUB JUNK BOXへと舞台を移し、8月11日の青森Quarterでファイナルを迎える。また、8月6日には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016』、8月13日には『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』への初出演も決定している。さらに、この夜の公演で、秋にツアーが開催されることも発表された。この機会に、ぜひとも人間椅子の“今”を各地で体感してほしい。彼らが今後どんな光景を見せてくれるのか、期待は膨らむばかりである。
(取材・文/志村つくね)

最終更新:7/12(火) 11:45

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