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米英とも海外投資家が高級物件離れ 米国では南東部から中西部が狙い目?

ZUU online 7/11(月) 11:10配信

米国の不動産投資に転機が訪れているようだ。これまで外国の投資家に人気だった高級不動産に代わり、価格帯が低めの中級不動産の需要が伸びている。

投資先もニューヨークやサンフランシスコを含む不動産価格が高騰している土地から、南東部(フロリダ州、ジョージア州、ミシシッピ州など)や中西部(オハイオ州、ミシガン州、アイオワ州など)といった、手ごろな価格で物件が購入可能な土地へと、シフトしていっているという。

主な要因としては、長引いていたドル高のほか、米国で不動産価格が過剰に上昇したことなどが挙げられている。

■カナダ人の3倍米物件を買い上げている中国人富裕層

こうした変化が目につき始めたものの、昨年4月から今年の3月にかけて、不動産セールス自体は2009年以来最高の販売を記録しており、1026億ドル(約10兆3143億円)が海外不動産投資家から流れ込んでいることが、全米リアルター協会(NAR)のデータから判明している。

以前の集計と比較すると1.3%の減少が見られるが、取引件数自体は増加傾向にあり、この期間中に21万4885件(2.8%増)が海外投資家の手にわたっている。

この数字の差異は、投資家を含む買い手のの関心が、一等地から二等地へと移行し始めていることを示す。

最大の買い手である中国人投資家の間でも、昨年から不安定な状態が続く中国経済の影響か、やはり若干の買い渋りが見られる。

それにも関わらず、二番手のカナダ人投資家の約3倍(273億ドル/約2兆7445億円)という巨額の不動産購入資金が中国から投じられており、中級物件の価格帯では最高額となる54万2084ドル(約5億4508万円)を支払った中国人投資家もいたそうだ。

近年富裕層が急増している中国では、人口の約380分の1に値する361万人以上が、富裕層に属すると報告されている。

それだけ多くの層が海外投資を楽しめる資産を得たわけだが、アジア圏の物件は非常に割高だ。中国を始め、台湾、シンガポール、香港など、米国に比べて軒並み価格が跳ねあがる。それに加えて物件の規模や選択肢の多さなど、米不動産が中国人投資家を惹きつけてやまない理由がここにある。

また米ドルに対して人民元が弱い状況がここ数年間続いているが、5年前や10年前ほど圧迫されているというわけではない。そのため今後も長期間にわたって、米不動産が中国人投資家を魅了し続けると見られている。

■ロンドンの高級住宅地は最高2億円以上の価格下落

「高級不動産離れ」を匂わせる動きは、EU離脱投票前の英国でも見られていた。それまで海外投資家が天井知らずの勢いで買い上げていたロンドンの高級物件の動きが、過去1年間で急激に鈍化したのだ。

原油安、不動産購入に関わる印紙税率の変更、Brexitの可能性などが絡み合い、ノッティングヒルやハムステッドなどの高級住宅価格は、1年間で最高11.8%まで大幅に降下。

ロンドンの不動産会社、Stirling Ackroydが郵便番号ごとで地域を区切って実施した調査では、272個の郵便番号のうち47個の地域の住宅価格に下落が見られ、そのすべてが英国で最も不動産価格が高騰した超高級住宅地だった。

中でもケンジントン・ハイストリートの物件は、2015年第1四半期からの1年間で平均180万ポンド(約2億3443万円)、ノッティングヒルは150万ポンド(約1億9535万円)と、著しく落ちこんだ。

Stirling Ackroydのマネージング・ディレクター、アンドリュー・ブリッジズ氏は、「高級不動産が利益を生み出す時代は終わった」とコメント。ロンドンの不動産バブルのピークが過ぎ、調整期に突入したという見解を示した。

Brexitの影響で不動産投資が凍結に入った気配の濃い英国と、不動産バブルの再来がささやかれている米国では、あまり適切な比較にはならないだろう。しかし高級不動産が低迷期に入り、ゆれ動く不動産市場に何らかの転機が訪れている点は、両国に共通している。(ZUU online 編集部)

最終更新:7/11(月) 11:10

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