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ビルの免震改修に新工法、省エネ・省スペースも同時に

スマートジャパン 7月11日(月)6時25分配信

 竹中工務店はビルの設備機械室がある階を免震改修する工法を新たに開発した。設備機械の更新を同時に実施しながら、空きスペースを作って免震工事を段階的に進める。北海道庁の本庁舎を耐震改修する事業で初めて採用したところ、ライフサイクルコストを30%削減でき、省エネと省スペースも実現した。

 北海道庁の耐震改修工事は、竹中工務店が中心になって2012年12月から2016年1月まで約3年間かけて実施した。地下1階と地下2階の柱に合計92台の免震装置を組み込んで耐震性を高める大規模な改修だ。築後50年近く経過した古い建物のため、東日本大震災の発生を機に災害対策の中枢機能を担う施設として免震改修が必要になった。

 免震改修工事と合わせて、地下2階の設備機械室にある空調設備や熱源機器の更新も実施した。老朽化した機器を高効率でコンパクトな最新の機種に入れ替えることによって、省エネと省スペースを図る狙いだ。機器の導入から廃棄までのライフサイクルコストを約30%削減できる効果を見込んでいる。

 竹中工務店は免震改修と設備更新を同時に実施できる「デュアルローリング工法」を新たに開発して、北海道庁の工事で初めて適用した。従来の工法では免震改修工事にあたって、既存の設備機械を一時的に撤去して建物の周辺に移設する必要があった。デュアルローリング工法は設備機械を順番に更新しながら、新しいスペースに移設した後の空きスペースから免震工事を実施する。

 北海道庁の本庁舎の場合には、地下2階の端にあった2基の受水槽を1基に集約して、同じフロアにある連絡通路へ移設する工事から始めた。移設した後の空きスペースから免震装置を設置していく。免震工事が終わると別の設備機械を更新・移設して、空いたスペースに対して順番に免震工事を実施する。

 こうして段階的に設備更新と免震工事を繰り返すことによって、両方の改修を別々に実施するよりも工期を短縮できる。設備機械を停止せずに、通常の機能を維持しながら工事を進められるメリットも大きい。さらに建物の基礎下部分を免震構造に改修する工法と比べてコストも安く済む。

柱1本ごとに免震装置を挿入していく

 北海道庁の本庁舎ではデュアルローリング工法で設備更新を同時に実施した結果、設備機械の設置スペース全体を縮小できて、地下2階の倉庫/執務スペースが700平方メートルも広がった。合わせて地下1階にあった倉庫/執務スペースを地下2階に移して、代わりに自然光が入る多目的スペースを設けることができた。

 竹中工務店は免震工事にも、独自に開発した「免震装置プレロード工法」を採用した。建物の中間階を免震改修する場合には、すべての柱を切断して免震装置を挿入する「一斉ジャッキダウン工法」が一般的である。

 これに対して免震装置プレロード工法では、建物の柱1本ごとに免震装置を設置することが可能になる。工事の対象階を全面的に閉鎖する必要はなく、利用可能な状態を維持しながら免震改修工事を完了できる。

 デュアルローリング工法を実施するうえでも免震装置プレロード工法は有効である。竹中工務店は公共施設やオフィスビルのBCP(事業継続計画)を強化できる点を訴求して、デュアルローリング工法を広めていく方針だ。

最終更新:7月11日(月)6時25分

スマートジャパン

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