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駐車場に太陽光発電を普及させる、エネルギー自給率30%を目指す東京で

スマートジャパン 7月11日(月)11時25分配信

 東京都では2030年までに都内の消費電力に占める再生可能エネルギーの利用率を30%に高める長期目標を掲げている。再生可能エネルギーの中で最も導入しやすいのは太陽光発電だが、都内は空き地が少なくて地価も高いために、導入量を拡大することがむずかしい状況だ。そこで東京都の環境公社が屋外の駐車場に太陽光発電を広める「ソーラーカーポート普及促進モデル事業」に2015年度から取り組んでいる。

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 第1弾のモデル事業は東京都が所有する2カ所の施設で実施中だ。それぞれの立地条件や駐車場の利用状況をもとに、ソーラーカーポートの設計から施工完了までの詳細を7月6日に報告書で公開した。

 1カ所目のソーラーカーポートは東京湾岸の埋立地にある「東京都立若洲(わかす)海浜公園」の駐車場に設置した。この公園では18ホールのゴルフ場を運営しているために、送迎用の大型バスを駐車できることが条件の1つに入っている。

 ソーラーカーポートを設置して駐車場の利便性が損なわれないように、間口に柱のない構造を採用した。間口の幅は23メートルと広いが、4本の柱だけでカーポート全体を支えている。三角形を組み合わせた「トラス構造」で、地震や強風にも耐えられる設計を取り入れた。

 中央部分の高さは7.2メートルある。太陽光パネルを設置した屋根は中央から東向きと西向きに傾斜をつけた。72枚の太陽光パネル(1枚あたりの最大出力250ワット)を搭載して、合計で18kW(キロワット)の発電能力がある。2016年2月9日に着工して3月25日に運用を開始した。発電した電力は全量を公園内の施設で消費する。

太陽光パネルと屋根の傾斜を変える

 2カ所目のソーラーカーポートは東京都の水道局が運営する「八王子給水事務所」の中にある。都心から40キロメートルほど離れた山間部に近い給水所の構内にある一般的な駐車場で、設計条件に特に制約はなかった。多くの駐車場で採用できるように、標準的な設計で施工コストの削減を図った。

 ただし特別に工夫した点が1つある。太陽光パネルは南向きに角度をつけて設置することが望ましい。ところが駐車場の進入経路を考えると、雨が降った時には駐車場から出入りする部分に雨水が落ちる配置になってしまう。

 ソーラーカーポートによる利便性の低下を防ぐために、パネルの設置面と屋根の傾きを変えた。屋根を北向きに傾斜させて、雨水が車の後方に流れ落ちるようにした。太陽光パネルの設置面と屋根のあいだは三角形のトラス構造で強度を高めている。

 普通乗用車10台分のスペースを利用して、合計60枚の太陽光パネルを搭載した。発電能力は全体で15kWになる。設置工事を2月29日に始めて1カ月後の3月29日に運用を開始できた。海浜公園のソーラーカーポートと同様に、発電した電力は給水事務所で自家消費する。

 2カ所のソーラーカーポートは2020年3月末まで運用しながら導入効果や維持管理体制を検証する予定だ。太陽光パネルをはじめ発電設備の外観を2カ月に1回の頻度で巡視点検するほか、2年に1度の定期点検では機器の接続状態の確認や電圧測定などを実施して事故を防止する。

民間企業が工場や商業施設に導入

 最近は民間企業のあいだで大規模なソーラーカーポートを導入する事例が増えてきた。双葉電子工業は千葉県の工場の構内に、従業員が利用する1200台分のソーラーカーポートを設置している。2015年6月に運用を開始して、発電能力はメガソーラー級の1.7MW(メガワット)もある。

 商業施設の駐車場にもメガワット級のソーラーカーポートが誕生している。茨城県にある「あみプレミアム・アウトレット」では、500台分のスペースにソーラーカーポートを設置した。1台分の屋根に搭載した太陽光パネルは約2kWで、全体で1MWの発電能力になる。2016年3月に駐車場の運用と発電を開始した。

 首都圏を中心に新たな太陽光発電の導入場所として、屋外の駐車場を活用する方法は有効だ。野ざらしの駐車場と比べると、夏の暑い時期には車内の温度上昇を抑える効果もある。導入事例が増えれば施工コストの低下が期待できるため、今後ますます広がっていく可能性は大きい。

最終更新:7月11日(月)11時25分

スマートジャパン

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