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NEDOが開発着手、高度IoT社会を支える基盤技術

EE Times Japan 7月11日(月)10時38分配信

■ユーザーとの連携により社会実装を加速

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年7月、IoT(モノのインターネット)を推進するための横断技術開発プロジェクトを立ち上げると発表した。2030年を見据えて、高度IoT社会を支える基盤技術を開発していく。

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 社会のさまざまな場面から生まれる大量のデータを収集、分析し、解析したデータをあらゆる場面で有効活用し、新たな価値を生み出していくためには、さらなる技術革新とシステム全体の最適化が必要になるという。

 そこでNEDOは、革新的かつ横断的な基盤技術の開発に乗り出すこととした。データの収集や蓄積、解析のために必要となる基盤、実装技術あるいは安全にシステムを運用するためのセキュリティ技術などについて研究開発を行う。さらに、システムユーザーと連携しながら、新技術の社会実装に取り組む。

 今回の研究プロジェクトは、革新的基盤技術の開発で11件、先導調査研究で1件、合計で12件の委託研究が行われる予定である。

■学習型スマートセンシングシステム

 研究プロジェクトの中から、いくつかの研究案件についてその概要を紹介する。NMEMS技術研究機構と東京電力は、「超高効率データ抽出機能を有する学習型スマートセンシングシステムの研究開発」を受託研究する予定となっている。工場設備などの稼働状況や生産品質の把握を目的としたシステムである。「スマートセンサーモジュール」「連続的に高出力可能な自立電源」「スマートセンシングフロントエンド回路」などを開発することで、コンセントレーターから動的センシング制御可能な無給電センサー端末を実現していく。さらに、学習型スマートセンシングシステムの基盤開発と実証を行う計画となっている。

■センサーシステムの消費電力を1/10に低減する技術

 東芝やアルプス電気、テセラ・テクノロジーなどは、「超低消費電力データ収集システムの研究開発」を行う。これを実現するため従来に比べて、センサーシステムの消費電力を10分の1に低減する技術、環境発電電源システムの発電効率を10倍に改善する技術、機能あたりの占有体積を10分の1以下とする高密度モジュール実装技術などの開発に取り組む。

■インテリジェントIoT

 東京工業大学や富士ゼロックスなどは、「インテリジェントIoTプラットフォームの研究開発」を行う。低消費電力で簡便なセンサーネットワーク構築に向けたハードウェアプラットフォーム、さまざまな処理プロセスに対応できる分散制御OSプラットフォーム、さらには人の感覚を理解できるコミュニケーションプラットフォームや匂いセンシングソリューションといった先端技術を開発していく。

■トリリオンノード・エンジン

 これ以外に予定されている研究案件として、東京大学生産技術研究所や東芝などによる「トリリオンノード・エンジンの研究開発」、中央大学や東京工業大学、富士通、NECによる「高速ストレージクラスメモリを用いた極低消費電力ヘテロジニアス分散ストレージサーバーシステムの研究開発」、東京大学生産技術研究所と日立製作所による「先進IoTサービスを実現する革新的超省エネルギー型ビッグデータ基盤の研究開発」などがある。

 また、東芝や荏原製作所、東京エレクトロンによる「高速大容量ストレージデバイス・システムの研究開発」、産業技術総合研究所や東京大学などによる「省電力AIエンジンと異種エンジン統合クラウドによる人工知能プラットフォーム」、産業技術総合研究所やパナソニックセミコンダクターソリューションズなどによる「超高速・低消費電力ビッグデータ処理を実現・利活用する脳型推論集積システムの研究開発」も予定されている。

 さらに、日立製作所や産業技術総合研究所などによる「組み合せ最適化処理に向けた革新的アニーリングマシンの研究開発」、横浜国立大学や三菱電機などによる「Sensor-to-Cloud Security~ビッグデータを守る革新的IoTセキュリティ基盤技術の研究開発」、さらに先導研究として、制御システムセキュリティセンター(CSSC)や東北大学、電気通信大学による「広域エネルギー制御の革新的セキュリティ基盤の研究開発」が予定されている。

最終更新:7月11日(月)10時38分

EE Times Japan