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シスコ、データセンターを見える化するTetration Analyticsを国内発表

@IT 7月11日(月)19時25分配信

 シスコシステムズは2016年7月8日、データセンター内のネットワークとアプリケーションの可視化を目的とした分析製品「Cisco Tetration Analytics(シスコ テトレーション アナリティクス)」を国内発表した。同製品は現在、一部ユーザーに限定して提供中で、一般提供は2016年8月にグローバルで開始の予定。

 Tetration Analyticsは、データセンタースイッチおよびホストからネットワーク通信のパケットキャプチャを実施(TCP/IPヘッダのみ。ソフトウェアエージェントではアプリケーションプロセス情報も含む)、これを長期的に保存するとともに、状況を確認・分析できる製品。

 ネットワーク通信の分析は、例えば特定ホストを選択すると、時系列的なグラフで全体的な傾向がつかめる。その上で、マウスのドラッグによって特定期間を選択し、さらに詳細な分析を行える。同製品は「タイムマシン」的な機能も備える。これは、特定の条件に合致したデータセンター通信を、時系列的に追える機能。スライダーを左右に動かすだけで、任意の時点のトラフィック状況を再現できる。

 ネットワークおよびアプリケーションのパフォーマンス管理、セキュリティ監査・対策、ネットワークトラブルシューティング、ネットワーク/セキュリティ・ポリシー変更の影響分析、といった用途で使える。

 パフォーマンス管理では、例えば「アプリケーションが遅い」とのユーザーの指摘に対し、アプリケーションとネットワークのどちらに問題があるのかが、瞬時に分かるという。また、シャドーIT的なネットワーク/IT利用も把握しやすい。さらに、セキュリティ対策を、その影響を実パケットデータによりシミュレーションした上で、実施できる。

 米シスコシステムズInsieme事業部 プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのラジーヴ・バドワージ(Rajeev Bhadwaj)氏は、金融、ヘルスケアなど、規制の厳しい業界での同製品に対する関心は、非常に高いと話す。特に、データセンター移行で、アプリケーションにおけるサーバ間の依存関係を自動的に発見し、これに基づいて安全に作業を進められる点が評価されているという。

 Tetration Analyticsの構成要素は、ハードウェアエージェントおよびソフトウェアエージェント、データ収集サーバ、分析/機械学習エンジン、ビジュアルな分析ユーザーインターフェース。これらが単一の製品として提供される。

 エージェントについては、ハードウェアエージェント、ソフトウェアエージェントともに、全TCP/IPパケットのヘッダ情報をメタデータ化し、リアルタイムで送出する(サンプリングではない)。ハードウェアエージェントでは加えてスイッチのバッファの情報を送出、ソフトウェアエージェントではアプリケーションプロセス情報を取得し、送出する。

 一般提供開始時点でハードウェアエージェントとして機能するのは「Cisco Nexus 9000シリーズ」のみ。スイッチでのパケット情報処理および創出には負荷がかかり、この処理に利用できる高機能チップを搭載している同シリーズが必要だという。ソフトウェアエージェントは、CentOS、Ubuntu、Red Hat Enterprise Linux、Windows Serverの2008から2012 R2に対応する。

 Nexus 9000を使わず、ソフトウェアエージェントのみでも、ある程度のネットワーク/可視化は可能だが、データセンター上の全てのホストにインストールするのは困難なことが考えられる。こうした場合でも、例えば上記のデータセンター移行の例では、移行したいアプリケーションに応じ、「対象となるホストをある程度限定してインストールし、依存関係を確認して移行する」というプロセスを繰り返すやり方が考えられるという。

 ソフトウェアエージェントは、パブリッククラウド上の仮想マシンホストにもインストール可能。これにより、ハイブリッドクラウドを対象とした可視化ができるようになるとしている。

最終更新:7月11日(月)19時25分

@IT