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若さだけが武器じゃない、バラエティで重宝される“ベテラン女性アナ”の底力

オリコン 7月12日(火)8時40分配信

 司会進行に加え番組に“華を添える”存在として、バラエティでも重宝する女性アナウンサー。フレッシュさも武器のひとつとなることから、これまでは各局、比較的に若手の起用が目立っていたが、最近では、日本テレビの豊田順子アナをはじめ、テレビ朝日の大下容子アナ、フジテレビの西山喜久恵アナ、2014年にTBSを定年退職した吉川美代子アナなど、ベテラン勢がバラエティ番組のゲストに呼ばれ、バツグンの存在感を発揮するケースが急増。なぜ今、ベテランの女性アナウンサーたちが活躍の場を広げているのか?

【写真】バラエティでも活躍! 戦隊風コスプレでおどける青山愛アナ

◆“MCがいじりやすいお局様”というキャラクター

 日テレの豊田アナは、昼のニュース番組『NNN ストレイトニュース』などでの完璧な仕事ぶりが印象的な入社26年のベテラン。だが昨年、『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』内で実施された、笹崎里菜ら日テレ新人アナの成長を見守る企画「1年たったらこうなりましたの旅」では、仕事に厳しくも部下を大切にする彼女の人間的な魅力が浮き彫りに。また今年6月放送の『今夜くらべてみました』では、新人の岩本乃蒼アナによる豊田アナの爆笑モノマネと、それに笑い転げる水卜麻美アナの姿に、新人アナウンサーの“鬼教官”豊田アナがいつ怒り出さないか、視聴者はヒヤヒヤしながらその展開を見守った。

 テレ朝の大下アナは『中居正広のミになる図書館』に出演した際、同じくゲスト出演した新人・田中萌アナの研修をしていた『~ミになる図書館』進行役の清水俊輔アナについて、「研修が終わった時に涙を流していた。そんな新人初めて見た」と暴露。その後、清水アナへのマジ説教が始まり、番組は爆笑の渦に包まれた。

 TBS退社後は芸能事務所キャスト・プラス取締役のほか、コメンテーター等でも活躍する吉川アナも同様。昨年末に放送された『うわっ!ダマされた大賞』(日本テレビ系)では、若手アナへのドッキリに女王様の仰々しいコスプレで登場したり、6月放送の『中居正広のこうして私はやっちゃいました!神センス 塩センス!』(フジテレビ系)では、自身の離婚について赤裸々に告白。夫婦の時間を大切にしたかった元夫と、仕事に生きたい自身との心のすれ違いが生んだ悲劇に、ゲストたちは大激論を繰り広げた。

 「大量のアナウンサー起用は、そもそもテレビ局のコストカットの一端で始まりました。この流れが成熟し、多様化にシフトしているのが現状です」と某バラエティ番組制作関係者。「加藤綾子アナのような正統派だけでなく、水卜アナや高橋真麻アナといったバラエティ的な魅力を持つ女性アナが正統派を凌ぐ勢いをつけています。ヘタなタレントよりも人気があるため局側も新たなキャラ探しに奔走。その中で、ベテラン女性アナは想像以上にウケが良かった。これまでお局様的な“怖キャラ”は大物タレントが担っていましたが、彼女らは一般人にほど近く、MCがいじりやすいという利点もある。これにより番組に新たな変化がつけやすくなったのです」(同)

◆デキる女の私生活は意外にも… 素顔との“ギャップ感”が魅力

 ベテラン女性アナがバラエティに出演する際は、主に新旧アナウンサーの共演となる場合が多い。この組み合わせは社会における上司・部下であり、その関係性に世間が共感しやすいのもポイント。また若手女性アナが先輩アナにおびえる姿から普段と違う表情が引き出されることも多く、番組の新陳代謝を担う若手女性アナの魅力の、さらなる代謝を促す効果もあるようだ。

 ベテラン女性アナの方も、ニュース番組などでの真面目で少々固いイメージが定着しているぶん、“意外な私生活を持っていた”、“実は天然だった”など、キャリアウーマンの裏に潜めた素顔とのギャップが魅力に。『今夜くらべてみました』では、夫婦の馴れ初めや学生時代の思い出を少女のように語る豊田アナについて、岩本アナが「こんなにチャーミングな人と分かるまで2年かかりました」と話していたが、視聴者もようやく、ベテラン女性アナの別なる魅力に気づき始めたのかもしれない。

 「ベテラン女性アナは当然美人ぞろいであるというほか、アナウンサーとしての確かな経験や技術があり、立ち居振る舞いも心得ているため、コメントに説得力があるのが強い。後輩を説教する言葉からは“アナウンス”という特殊な技術の一端を知ることができるお得感もありますし、彼女らの厳しい正論は、不満を抱える人々にとって、胸をすく心地よい一刺しになったりもする。またその一刺しが、普段はアイドル然とした若手アナの“影の努力”が伺える手助けになっているのも面白い。局アナのほか、安藤優子や勝恵子、近藤サト、小島奈津子、有賀さつきなど、フリーアナも度々キラリと存在感を見せているので、役者がそろっているぶん、作り手もさまざまな挑戦がしていけそうです」(同)

 “禁断の女の園”をのぞき見するような、女性同士のヒリヒリするような見えない対立感も刺激の要素。だが番組を観ていれば分かるが、その根底にはベテランと若手の深い“師弟愛”が流れている。オーストリアの女流作家・エッシェンバッハは「若い時は学び、年をとって我々は理解する」と語ったが、彼女らの“師弟愛”もこれが体現された心地良い相互関係の中にあるように感じられる。

(文:衣輪晋一)

最終更新:7月12日(火)8時40分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。