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利用者の認識とのギャップが大きい運転支援機能、テスラ車の事故と自動運転への教訓

日刊工業新聞電子版 7月11日(月)10時41分配信

「もっとも危険なことは、それがオートパイロットと呼ばれていること」

 6月末、「自動運転で初の死亡事故」という衝撃的なニュースが世界を駆け巡りました。米テスラ・モーターズの高級セダン「モデルS」が5月7日に一部自動運転機能を持つ「オートパイロット」で走行中、大型トレーラーに衝突し運転者が死亡したという事実が明らかになり、この事故をめぐって米運輸当局が調査を開始したというのです。

 ただ、オートパイロットは、走行レーンを維持したり、前の車に追従したり、方向指示器を出すと自動で車線変更したりできますが、自動運転というにはほど遠い。ほかの自動車メーカーも似たような機能をすでに提供していて、それよりは先進的といった程度のようです。

 実際にはテスラも「オートパイロットは運転支援機能であり、運転者は運転中、常にハンドルに手を添えることが求められる」と注意を促していました。その運転マニュアルでも「とりわけ走行速度が時速50マイル(時速80キロメートル)を超えていて、前の車が急に走路を外れ、その前に停止した車がある場合、ブレーキをかけたり減速したりしない可能性がある」と記されています。問題は、(自分もその一人ですが)運転者や車のオーナーの大半は、マニュアルを読まないということです。

 「オートパイロットでもっとも危険なのは、それがオートパイロット(自動操縦)と呼ばれていること」(CNN)。自動運転というには技術がまだ未熟な半面、報道や先進的なイメージを売り込む企業側の戦略も手伝って、利用者の認識とのギャップは大きい。

 近い将来、自動運転の時代が到来するのは間違いないにしても、車単体での検知技術だけではやはり限界があるのではないでしょうか。道路や車車間通信といったインフラも含めて、いくつもの主体が共同で技術開発や制度づくりを進めるとともに、皮肉なことに今回の事故がその役割を果たすことになったわけですが、何より利用者に対する啓発・啓蒙が欠かせないでしょう。

最終更新:7月11日(月)11時54分

日刊工業新聞電子版

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