ここから本文です

松方弘樹や丸山茂樹など、役者が揃いすぎる大手傭船会社の闇

ニュースソクラ 7月11日(月)12時1分配信

三菱UFJ「不適切融資」150億円の行方は

 銀行関係者の間で話題になっているのは、週刊新潮と週刊文春に相次いでスクープされた大手船舶運行管理会社ラムスコーポレーション(港区愛宕2-5-1)と、その船舶を保有する関連会社38社を合わせた「ユナイテッドオーシャン・グループ」の倒産劇に絡む闇だ。

 同グループが破綻したのは昨年11月、負債総額1400億円という年間最大の大型倒産だった。当時は巨額な負債額にもかかわらず、同じ船舶大手の第一中央汽船破綻の影に隠れる形であまり問題視されなかった。だが、メガバンクの関係者の間では当時から、「倒産に絡むオーナーの不透明な資金の流れがある」と囁かれていた。その闇の一端がここにきて白日の下に晒されたことで金融界は大きく揺れている。

 オーシャングループの創業経営者は元駐日インド大使を父に持つヴィバン・クマール・シャルマ氏。1995年に船舶会社を興し、破綻直前にはシンガポールやパナマなどのSPC(特別目的会社)を通じ船舶約40隻を保有していた。東京商工リサーチによると、15年3月期には売上高1億1148万円。そのオーシャングループにピーク時に700億円を超える資金を融資し、実質的なメインバンクであったのが三菱東京UFJ銀行だった。

 両者の蜜月ぶりは週刊文春で詳細に暴露されており、オーシャングループの担当店であった新橋支店の支店長など複数の行員がシャルマ氏にタカリを繰り返し、過剰な接待を半ば強要していたことが明らかになっている。その総額は1000万円を超えると報道されている。また、融資の調印式には営業第一本部長時代に船舶を担当した経歴のある小山田隆副頭取(現・頭取)が出席するほどの肩入れぶりだった。

 その両者の関係が暗転したのは、昨年10月。三菱東京UFJ銀行は、オーシャングループの「傭船契約が偽造されていたことが判明した」と一方的に通知し、債権の回収に乗り出すとともに、翌月には会社更生法適用申請に踏み切った。

 この手のひら返しともとれる三菱東京UFJ銀行の行動に対し、シャルマ氏は「融資は銀行から申し出たもので、傭船期間を10年から20年に書き換えたり、傭船料を変動から20年間・2万ドルの固定にしたのも、そうしないと稟議が通らないと銀行の担当者から頼まれ、言われた通りにやったもの」と反論している。両者は民事裁判で係争中である。

 また、オーシャングループは、芸能界やスポーツ界のタニマチ的な存在としても有名で、グループの中核会社のラムス社の取締役には俳優の松方弘樹氏やプロゴルファーの丸山茂樹氏、羽川豊氏などの著名人が名前を連ねていた。いずれも広告塔として要人の接待にも利用されたと報じられている。

 「過剰接待といい、芸能人の登場といい、バブル期を思わせるような事案。役者が揃いすぎている。単純な不良債権の処理とはいえない」とメガバンクの元役員は指摘する。

 焦点となるのは、三菱東京UFJ銀行が無担保で使途を問わずに2006年に融資したとされる150億円の行方であろう。この融資はどこに消えたのか。倒産に伴いシャルマ氏は自己破産しているが、金融関係者は当時、「倒産前後に不透明な資金の流れがある」と指摘していた。

 三菱UFJサイドもカネの行方には関心があり、捜査当局に相談を持ちかけていたとみられる。その過程では、シャルマ氏の個人口座に30億円規模の個人資産があることも把握している模様だ。

 メディアへの情報提供は、裁判を不利と感じたシャルマ氏が積極的に働きかけていたといわれる。報道をきっかけに、過剰接待や無担保で使途不明のまま貸し出された150億円については三菱UFJ内部でも不可解との批判的な声が広がっている。「かなりのハイレベルの幹部が絡まないと通せないのではないか」と行内でも取りざたされている。当時の幹部の責任追及などは必至で、三菱UFJを震撼させている。 

 シャルマ氏の思う壺といった展開にみえるが、闇が暴かれたことで状況は変わる。隠し立てする必要もなくなった銀行サイドがカネの流れを徹底追及し、捜査当局が動く可能性もあるだろう。シャルマ氏は策に溺れたと後悔することになるのかもしれない。

ニュースソクラ編集部

最終更新:7月11日(月)12時1分

ニュースソクラ

いかにして巨大イカを見つけたか
人類は水中撮影を始めたときから巨大イカ(ダイオウイカ)を探し求めてきました。しかしその深海の怪物を見つけることは難しく、今まで撮影に成功したことはありませんでした。海洋学者であり発明家でもあるエディス・ウィダーは、ダイオウイカの初の撮影を可能にした知見とチームワークについて語ります。