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与党過半大きく超す 安倍農政加速へ 参院選

日本農業新聞 7/11(月) 7:00配信

 第24回参院選は10日、投開票され、自民、公明の与党が目標としていた改選過半数の61議席を上回り、大勝した。安倍晋三首相(自民党総裁)の政権基盤はさらに盤石となり、経済政策「アベノミクス」推進も続く。ただ、環太平洋連携協定(TPP)や米政策も争点となった東北、甲信越を中心に、全国に32ある1人区で野党統一候補が2桁勝利するなど、3年半の安倍農政が全面的に支持されたとは言い難い。衆参で自民党の「1強」体制が強まる中、政府・与党には、生産現場の声をにした丁寧な農政運営が求められる。
 
 農村部を中心に全国で32ある1人区全てで自民党の候補と、民進、共産、社民、生活の野党4党の統一候補が激突。野党統一候補は、TPP反対を掲げた山形選挙区の舟山康江元農水政務官(無所属)や長野選挙区の杉尾秀哉氏(民進)、新潟選挙区の森裕子氏(無所属)らが議席を獲得した。とはいえ、全般としては与党批判票の受け皿にはなり切れなかった。

 安倍首相は過半数を上回る情勢に「アベノミクスをしっかり加速せよということだと思う。この国民の期待に応えていきたい」と述べた。憲法改正は「選挙で是非が問われていたものではない」としながら「これからは憲法審査会でいかに与野党で合意をつくっていくかということではないか」と意欲をにじませた。

 同党では、全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)が推薦した藤木眞也氏も比例代表で当選。現職閣僚の岩城光英法相と島尻安伊子沖縄北方担当相はいずれも落選した。公明党は、比例代表の横山信一元農水政務官らが堅調に議席を獲得し、現有議席を上回った。

 民進党は結党後初の大型国政選挙となったが、支持を広げ切れなかった。共産党やおおさか維新の会は現有議席を上回り躍進した。社民、生活などの小政党には厳しい結果となった。

 選挙戦で与党は、アベノミクス継続の是非を争点化。農業やTPPも成長戦略の柱とし、安倍首相は「大切な農業を守るために改革を進める」と訴えた。しかし首相の具体的な言及は農産物輸出の拡大などにとどまり、与党候補が、農家が不安を抱えるTPPや米政策などへの言及を避ける態度も目立った。

 TPP反対を掲げた野党候補も政権批判に終始する場面が多く、農政を巡る論戦は一部地域を除いて必ずしも深まらなかった。与野党が最後まで激戦を繰り広げた東北・甲信越地方では、TPPや農政改革の是非が主要な争点となった。

 参院選は6月22日に公示され、改選議席121に対し選挙区225人、比例代表164人の計389人が立候補した。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の国政選挙で、隣接する2県を1選挙区とする「合区」も初めて導入された。

日本農業新聞

最終更新:7/11(月) 7:00

日本農業新聞