ここから本文です

【参院選】いよいよ現実味を帯びる憲法改正 国民投票までの流れは?

BuzzFeed Japan 7月11日(月)16時58分配信

戦後一度もなかった憲法改正が、いよいよ現実味を帯びてきた。

参院選の結果、自民党をはじめとする憲法改正に前向きな「改憲派」が、衆参両院で3分の2を超えたからだ。

これだけの人数がいれば、「憲法改正の発議」が可能になる。つまり「憲法のここ、変えたいんです」と、国会議員が国民に提案できるということ。
【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

そもそも憲法改正は、どういう流れで実施されるのか。

まず、憲法を一気に変えることはできない。

憲法は、条文(項目)ごとの改正しかできないと、法律で決まっている。

たとえば改正する条文が5つあれば、有権者には計5枚の投票用紙を渡されて、それぞれの賛否を投じることになる。

自民党は2012年に「憲法改正草案」を示している。あのようにまとめて変えたものに対する賛否を問われることはないし、できない。

そのうえで、4つのポイントがある。

(1)どこを改正するのか決める

憲法のどこを変えるのか、何を加えるのか。まずは国会議員の中で話し合う。おもな議論の舞台になるのは、衆参両院に設置されている「憲法審査会」だ。

(2)改正原案を発議する

改正する部分が決まったら、今度はそれを「改正原案」として国会に発議する。衆議院の100人以上、 参議院の50人以上の議員の賛成があれば良い。

(3)憲法審査会と本会議で議論する

発議されたら、再び舞台は両院の憲法審査会に移る。合同で開くこともできるし、公聴会も実施される。その後、両院の本会議で総議員の3分の2以上が賛成すれば「改正原案」は可決する。

参院選の期間中、ひたすらに叫ばれていた「3分の2」は、ここでようやく意味を持つ。

普通の法律ならこれで終わりだが、憲法の場合は違う。最終的に決めるのは、あくまで国民である私たちだ。

(4)国民投票をする

国会で可決した60日から180日以内に国民投票が開かれる。半数以上が賛成すれば、改正は決定だ。

もちろん、こんな風にトントン拍子で憲法改正が進むとは限らない。

改憲派のなかでも見解がバラバラで、「(1)どこを改正するのか決める」のハードルが高いからだ。

たとえば自民党は草案で、平和主義を掲げた9条の改正を示しているが、公明党の山口那津男代表は7月10日、NHKの番組で「当面、憲法9条の改正の必要はないと思っている」と答えた。与党のなかでも、一致点は見いだせていない。

大きな災害や外国からの武力攻撃があったとき、内閣に権限を集中させるために新設しようとしている「緊急事態条項」も議論の的。それ以外にも、前文や自由と権利(12条)、家族のあり方(24条)、天皇制(1条)、改憲手続きの緩和(96条)など。憲法改正には、多岐にわたる論点がある。

それでも、憲法改正に向けた議論はいよいよ活発になる。

安全保障法制の違憲性をめぐる混乱のため、休眠状態だった憲法審査会は、この秋の臨時国会から再開される。

憲法のどこを改正するのか、野党も巻き込んだ議論を始めようとしている安倍首相は7月11日の会見で、「わが党の案をベースにしながら3分の2を構築していくかが政治の技術」と発言し、意思を示した。

国を二分した国民投票で混乱したイギリスの記憶は新しい。

安倍首相も会見で、こう言っている。

「憲法改正を決めるのは国会ではない。国会は、改正を発議するのにとどまる。決めるのは国民ということが、重要な点なのだと思います」

最終更新:7月11日(月)18時2分

BuzzFeed Japan