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「フジクラ・ダイヤケーブルの経営戦略」〈久下社長〉=提案・開発力でシナジー

鉄鋼新聞 7月11日(月)6時0分配信

 フジクラと三菱電線工業は4月1日に産業用電線事業を統合した。建設・電販用電線の合弁販社であるフジクラ・ダイヤケーブルに、電力・自動車用を除くメタル電線の製造と販売機能を集約。成熟化する国内需要に対応する体制づくりと、シナジー創出による競争力強化を目指していく。同社の久下忠利社長に今後の事業戦略を聞いた。   (古瀬 唯)

――新体制になって3カ月が経ちました。
 「事業の強みと弱点を再点検できたので、シナジーを発揮して強い点はさらに伸ばし弱点はカバーし合っていく。製造拠点はフジクラ側から鈴鹿事業所と沼津事業所の一部、愛知県の子会社であるシンシロケーブルが移管された。三菱電線工業側からは熊谷製作所と福井製作所の全部と、尼崎事業所の一部を継承。地域的に重複がないため6拠点で全国を網羅できる。また新たに移管された非建設用の産業用電線では、三菱電線工業は同軸ケーブルなどの製品群に加え三菱グループの商圏などフジクラや当社と重ならない部分がある。またフジクラは光ケーブルや周辺機器などに強みを発揮している。お互いの顧客にそれぞれの製品を供給することでビジネスを広げ、拡販につなげられるはずだ」
――製販一体となって期待できる効果は。
 「営業が得た顧客の情報をダイレクトに製造や技術に伝えられる。耳の痛い話も真摯に共有することで一層改善が可能になるだろう。建設・電販用電線の開発は成熟しているという見方もあるが、施工性など使う側にはさまざまな要望があるはず。その声に耳を傾け、少しずつでも変えていくことが重要。また昨年度までは販社としてコストや納期での提案が中心だったが、今後は顧客と技術者が話す機会が増え、提案の幅が広がる。さらに提案だけでなく問合わせへのタイムリーな対応など施工後のアフターサービスも強化できる。ハードだけでない付加価値を創出することも選ばれるメーカーになるために必要だ」
――製販一体で損益管理を徹底できるメリットも。
 「製販の一体化で営業マンが工場の原価も含め事業の収益状況をより明確に意識できるようになる。当社では透明性や事業ごとの公平性を高めるため4月からカンパニー制を敷いた。建設・電販と直需、原子力、ワイヤレス通信の4カンパニーを設置。それぞれが営業や製造、技術、品質保証の部門を有している。今後は各事業の収益管理を製造から一貫してクリアにすることで、注力するべき製品群やマーケットをこれまで以上に明確にしていく」
――中期的に強化する取り組みは。
 「フジクラグループでは市場に対して製造拠点や人員などの「構え」を最適化する取り組みを進めており、当社でも収益力の高い筋肉質な体質を目指している。現在は来年度をスタートとする20年度までの中期計画を策定中で、収益重視の観点から事業の選択と集中を議論している。ただ効率化による守りだけでなく、打って出る攻めの成長戦略も重要。今期から両親会社の産業用電線事業を統合し電機や化学メーカーなど大規模顧客が商圏となったことが一つのチャンスだ。重点顧客との連携を密にしてビジネスを深耕することで、新製品やよりニーズに合った品物を出していける可能性に期待できる」
――生産拠点間での品種再編についてはいかがですか。
 「足元は17~19年度に見込まれる首都圏再開発向け需要への対応が一つの重要課題。地方の需要や大規模顧客の設備投資向けと併せて取り込みを図る。生産再編はそれ以降の状況にどう対応するか中計で検討する中で考える。まずは物流面など顧客からの要望を大切にしながら、生産効率や災害時の安定供給体制なども考慮しつつ進めたい。安定供給では立地だけでなく耐震化の状況なども勘案する。複数の拠点と幅広い製品群を見ながら総合的に実施することになるだろう」
――設備投資などの事業強化策は。
 「生産キャパのアップや効率化を進めていきたい。6工場を回るなかで新しい設備の導入など強化策の必要性を感じた。投資による効率化で新たなチャンスが生まれる製品群もある。中期的な視点を持って段階的に進めていきたい。現在はフジクラと三菱電線工業が有していた設備や生産プロセスなどを分析しながら、増強のプロジェクトを立ち上げて検討している」

最終更新:7月11日(月)6時0分

鉄鋼新聞

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