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これがフェラーリFFの後継、新型「GTC4ルッソ」のパフォーマンスだ!速攻試乗レポート

オートックワン 7/11(月) 20:23配信

伝統のネーミングを二つも同時に与えたGTC4ルッソ

そもそもフェラーリの本格的な公道専用モデルは、50年代半ばに登場した、2ドア4シーターの250ヨーロッパGTにその起源を求めることができる。逆にいうと、その黎明期にあって2シーターモデルはたいてい、“レース兼用”のスパルタンなマシンばかりであった。

実用性も兼ね備えたフェラーリ新型「GTC4ルッソ」写真でチェック(画像131枚)

そう考えると、FFの後継モデルで、V12エンジンをフロントに積み、フル4シーターのGTとしたGTC4ルッソこそ、跳ね馬ロードカーの正統な後継モデル、といっても、差し支えないだろう。

とはいえ、“GTC(グランツーリズモ・クーペ)”と“Lusso(豪華なという意味)”という、これまた伝統のネーミングを二つも同時に与えてしまう気前良さに、初めてその名を耳にしたとき、ちょっと信じられない気持ちになったものだった。

真ん中の“4”は、4シーターであり、4WDであることを意味する。4RMと呼ばれるユニークな4WDシステムそのものはFFとまったく同じだが、後輪操舵の制御を新たに加えるなど、劇的な進化を果たした。

そのほか、細かい説明は長くなるので割愛するが、数々の動的制御システムも最新モードにアップデートされている。

FFと同じ6.3リッターの排気量を誇るV12自然吸気エンジンも、当然ながら、ブラッシュアップされた。もともとエンツォに搭載されていたティーポF140型の進化版であり、今回は、特別限定車F12tdf(ツール・ド・フランス)で得た知見を採りいれて、いっそうの高性能化と効率化を計っている。

具体的には、高回転域での最高出力をFF比+30CVの690CVとし、最大トルクも僅かに増して、71.1kg-mとした。その8割の力は、わずか1750回転で得て、全回転域におけるトルクもまた、平均で5%増しとした。CO2排出量も3%減らしている。

ぼてっとして見えるFFとはまるで別物

注目すべきは、パワートレーンばかりじゃない。内外装のデザインも、ほとんどフルモデルチェンジと言いたくなるほどに変わった。

シューティングブレークスタイルこそFFから継承するが、よく見るとルーフラインが後端に向かってより下げられており、クーペ風味を強調するデザインとなった。もちろん、サイドウィンドウやリアウィンドウのカタチも変わっている。

顔つきは、グリルの開口部を拡げてワイドさを強調し、よりアグレッシブかつスポーティに。サイドのキャラクターラインも、車体がより薄く見えるように走る。

極めつけはリアエンド。70年代以降のフェラーリに採用されていた、大きな丸4灯とした。下げられたルーフライン後端と相まって、後ろ姿はFFとはまるで別のクルマで、より低くよりワイドに見える。ぼてっとして見えるからFFは嫌だった、という人にも、このスタイルなら受け入れられそうだ。ちなみに、大まかなディメンジョンは、FFとほとんど変わっていない。

さらに劇的な変身となったのが、インテリアだ。FFでは612スカリエッティのイメージを踏襲した、どちらかといえばマッチョな雰囲気だったが、水平基調で、ダッシュボードの高さも抑えた、モダンかつクリーンなラグジュアリィデザインに大変身を遂げた。

この見映えの良さは、ゆったりと焦らずドライブさせるためにも有効である。 肝心の走りはどうか。国際試乗会の開催されたイタリア北部の“スッドチロル”(南チロル地方)は、バカンスシーズンの始まりだけあって、どこもかしこも観光客で賑わっていたが、その中をゆっくり、時には大渋滞に巻き込まれながらも、走っていて、ふと気がついた。

フェラーリで渋滞、なのに、気分がイラつかない!

これまでの跳ね馬であれば、クルマから煽られつつ、欲求不満が溜まる一方だった。ところがどうだ。GTC4ルッソは、微速域でのパワートレーンのマナーが素晴らしく、V12の静かな音色も心地よく響いて、とにかく落ち着いていられる。

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最終更新:7/11(月) 20:23

オートックワン