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<高校野球>倒れて記憶失うも情熱冷めず…蓮田松韻2年が全力プレー/埼玉大会

埼玉新聞 7月11日(月)6時48分配信

 記憶をなくしても、好きな野球への情熱が冷めることはなかった―。10日に埼玉県さいたま市の市営浦和球場で行われた与野―蓮田松韻の一戦。蓮田松韻の2年生若山涼人選手は5月に突然倒れ、仲間や両親、野球などの記憶を失った。記憶が完全ではない中、試合は最後まで全力プレー。グラウンドを駆け回り、白球を追い掛けた。

 九回1死一塁。次打者席で打順を待つ。だが目の前で打者が併殺に倒れ、試合終了。「終わった...」。しばらく次打者席から立ち上がることができなかった。

 この日は9番右翼で出場したが、本来は1番遊撃手で、控えの投手も務める。それが、「あの日」を境に大きく変わってしまった。

 大会を2カ月後に控えた5月中旬。いつものように自転車で練習に向かっていたところ、突然めまいがして倒れた。救急車で運ばれ入院。意識は回復したものの、記憶が戻らなかった。両親や仲間のこと、あんなに好きだった野球のルールやグラブの使い方まで...。原因は今も分かっていない。

 「野球をやめようかな」。そう思ったが、小学4年から始めた野球。弟も野球をしている。「最後までやりたい」。そんな思いから、再びボールを握ることにした。体調を考慮した山崎泰次監督は、親と相談した上で認めることにした。

 復帰してまだ日が浅い。野球は思い出すというより、新しく覚えるという感覚。ルールも完全ではない。遊撃手の動きが分からず、外野に回った。暑い日は頭痛やしびれが出る。練習試合では四回までしかプレーできなかった。

 困難を乗り越え、迎えたこの日。最初の打席で左前安打を放ち、次の打席も死球で出塁。守備では「チームに迷惑を掛けた。打球が飛んできたら、アウトにしたい」と勝利を目指した。

 勝利には届かなかったが、夏の太陽の下、九回まで全力プレー。「うれしい半面、記憶をなくして悔しい思いもある。でも支えてくれた人には感謝したい」。新しい記憶の中に、この日の出来事が刻まれた。

■11日の試合

【県営大宮】
▽2回戦
春日部東―川口青陵(9時)
狭山清陵―正智深谷(11時30分)
熊谷農―聖望学園(14時)

【市営大宮】
▽2回戦
浦和学院―鴻巣(9時)
山村国際―浦和北(11時30分)
本庄―三郷(14時)

【上尾市民】
▽2回戦
上尾―朝霞(9時)
開智―児玉(11時30分)
川越東―山村学園(14時)

【川越初雁】
▽2回戦
児玉白楊―川越工(10時)
市川越―草加南(12時30分)

【熊谷公園】
▽2回戦
深谷商―東野(10時)
深谷一―秩父農工科(12時30分)

【越谷市民】
▽2回戦
浦和工―越谷西(10時)
宮代―八潮(12時30分)

【川口市営】
▽2回戦
西武台―所沢(10時)
不動岡―坂戸西(12時30分)

【所沢航空】
▽2回戦
坂戸―武蔵越生(10時)
ふじみ野―栄東(12時30分)

最終更新:7月11日(月)8時20分

埼玉新聞

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