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命の尊さ舞台で表現 23、24日に演劇まつり

カナロコ by 神奈川新聞 7月11日(月)11時10分配信

 市民による演劇の祭典「かわさき演劇まつり」が23、24の両日、川崎市多摩区の多摩市民館ホールで開かれる。本番に向けて出演者らの稽古にも熱が入っている。演目には命の尊さや生きる意味を問い掛けた作家・水上勉原作の名作「ブンナよ、木からおりてこい」を選んだ。

 
 「最後の歌は楽しかったねで終わらないで。きょうという日は二度となく、われわれは生きているのではなく生かされているんだというメッセージを観客に伝えて」

 土曜日夕方、幸区古市場の稽古場。演出家の小山裕嗣さん(36)が出演者の動きや歌の細部にアドバイスを飛ばしていた。4月から週3~4回の稽古を重ね、良い舞台をつくろうとする一体感が室内にみなぎっていた。

 演劇まつりは同実行委員会と市文化財団の主催。市民に安く質の高い芝居の提供と市内劇団の育成を目的に市が助成し1972年から毎年開かれ、2001年以降は隔年で続いている。

 複数の劇団が互いに刺激し合えるのも利点。今回は初回から中心を担ってきた京浜協同劇団のほか劇団企てプロジェクト、劇団ラニョミリ、オフィスプロジェクトMの4劇団と子どものダンスグループの楽(ら)喜(き)楽(ら)きっずが参加。公募による市民7人を含め10~80代の約40人が舞台に立つ。

 作品はブンナの愛称を持つカエルがシイの木のてっぺんに登るが、そこはトンビのえさ蔵で次々と運ばれてくる傷ついた小動物たちによる壮絶な戦いを目の当たりにする音楽劇。演劇まつり実行委員長の城谷護さん(75)は「私たちの中に多摩川河川敷の中学1年生殺害事件があった。命の大切さや生き方を考える機会となる作品。親子で見てほしい」と話す。

 ブンナ役の西村めぐみさん(33)は「千人近く入るホールは初めて。見た人が何か心に残してもらえれば」。初舞台となるネズミ役の大手企業社員の田中耕一さん(49)は「会社生活とは別に新しい人生を始めたかった。全てが新鮮」と話していた。

 23日午後2時と午後6時半から、24日は午後2時からの計3回上演。大人2千円、高校生以下千円。観劇の申し込みは、はがきやメール、ファクスで。同実行委員会電話044(511)4951。ファクスは044(533)6694。

最終更新:7月11日(月)15時7分

カナロコ by 神奈川新聞