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蓄音器館に寄贈続々 文化のまちに託す

北國新聞社 7/11(月) 5:03配信

 金沢蓄音器館に、全国各地の愛好家から貴重な蓄音器やレコードが続々と寄せられている。高齢化の進む「レコード世代」が、思い入れのある収集品を後世に残して役立てたいと考え、文化水準の高い金沢を寄贈先として選んでいるとみられる。同館は修復可能で貴重な品を引き取り、来場者に懐かしい音色を届ける。

 金沢蓄音器館は現在、蓄音器約600台とSPレコード約3万枚を所蔵する。八日市屋典之館長によると、高級な蓄音器を愛用した著名人の遺族らから「大切にしていたものを捨てるのはしのびない。文化レベルの高い金沢で、多くの人に役立ててほしい」との相談を受けることが多い。

 今年、同館に音楽文化研究家の長田暁二(おさだぎょうじ)さん(86)=東京都=からレコード約2千枚が寄贈された。戦前にハワイで日本人向けに生産された珍しいレコードのほか、当時の蓄音器の製造年やメーカーを記した資料も含まれ、市は長田さんに感謝状を贈った。長田さんは寄贈を決めた理由について、「これまで音楽解説イベントなどで金沢蓄音器館との交流が深く、文化的な風土にもほれこんだ」と説明した。

 福島県の愛好家からは4日、米国の発明家トーマス・エジソンの大型蓄音器が届けられた。大正初期の製造とみられ、表面の意匠に彫刻を施した逸品という。

 同館にはこれまで、前田家17代当主前田利建氏が愛用した蓄音器や、電機メーカー「ソニー」創業者の盛田昭夫氏のリードオルガンなども寄贈されている。館内には、展示や聴き比べるイベントを通して、味わい深い音色を流している。

 同館では、希少価値や修復の可能性を判断した上で引き取っている。八日市屋館長は「贈られてくるレコードや蓄音器の中には必ず宝が紛れ込んでいる。寄贈していただいた人の思いを大切にして、後世に残すことが館の使命と思っている」と話した。

北國新聞社

最終更新:7/11(月) 5:03

北國新聞社