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税収1兆円減も“V字回復”、東京都の都税収入の仕組みを見る

THE PAGE 7月15日(金)8時0分配信

 東京都知事選をめぐって、地方自治体の税収確保の問題があらためてクローズアップされています。東京都は日本の都道府県の中で唯一、地方交付税交付金を国からもらっていない自治体です。東京都はリーマンショック後、1兆円も税収が減るという事態に陥りましたが、現在はV字回復を見せています。東京都の税収はどのような仕組みになっているのでしょうか。

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 東京都の2015年度における税収は5兆216億円でした。リーマンショック直前の2007年における税収は5兆5000億円に迫る勢いでしたが、リーマンショックによって大きく落ち込み、2010年には4兆2000億円に減少していました。しかし、その後はV字回復を実現し、リーマンショック前の9割まで戻しています。

 東京都の税収が急回復したのは、地方自治体の税制と大きく関係しています。地方自治体の主な財源は、法人事業税と法人住民税の二つで、これらは通称「法人二税」と呼ばれています。法人事業税と法人住民税はいずれも、その自治体に事業所を持つ法人の所得に一定割合を乗じた金額を徴収します(法人住民税については厳密には法人税額に一定割合を乗じます)。所得と会計上の利益は異なりますが、利益が大きくなると一般的には所得も大きくなりますので、法人二税は企業が儲かると税収が増えるという関係が成立します。

 企業の利益は売上高が伸びるとその何倍にも増えることがほとんどです。2010年度と2014年度における企業の売上高(金融業除く)を比較するとアベノミクス効果で4.5%ほど増加しましたが、同じ期間で経常利益は約1.5倍に増えています。企業の利益が大きく伸びれば、地方税の税収も増加しますから、その傾向が顕著に財政状況に反映されたとみてよいでしょう。また2014年4月に消費税が5%から8%に増税されたことに伴い、地方消費税の割合が上がったことも税収増に弾みをつけています。

 しかし、地方自治体の歳入が、景気に左右されやすい財源に偏っていることを問題視する意見もあります。政府は消費税という景気にあまり左右されない安定財源を持っていますから、確実に税収を見込んだ上で予算を組むことができます。一方、東京のように国からの支援が必要のない自治体については、常に景気とのにらみ合いになってしまいます。税収の少ない自治体は、歳入の多くを国からの支援に頼っていますが、東京都は自主財源で行政運営ができているだけにこの問題は深刻です。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7月15日(金)10時23分

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