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参院選、与党圧勝 BBCほか欧米メディアの反応は?

ZUU online 7月12日(火)11時10分配信

7月10日に投開票が行われた参院選で与党が圧勝したという事実に、欧米メディアは様々な反応を見せている。おおむね「成功と失敗が半々」と受けとめられていたアベノミクスの継続を、日本の国民が支持した今、安倍政権がより具体的な成果を世間に示す時期にさしかかったという見方が強い。

その一方で、経済政策と同等、あるいはそれ以上に注目されていたのは、平和憲法の改正と軍事力強化の可能性だ。

■「国民にはほかの選択肢が与えられていなかった」

欧米では「さらに外的圧力のかかったアベノミクスの行方を見届けてみたい」「日本がどこまでやれるのか確かめてみたい」という関心が高い反面、今回の結果は少々意外だったようだ。

これまで日本国民の安倍政権に対する不満感や不信感が報じられていたため、多くの国民がそうした感情を押し殺して安倍政権の継続を願っている現状が、海外では理解しがたいものだと思われる。

「この道を力強く前に進んでいく」というスローガンを掲げた選挙戦で、「失敗はしていないが、道半ばだ」と自らの政策を貫く意思を明らかにした安倍首相だが、その政策がこれまであげた成果に対して疑問を唱える声は多い。

米ニューヨークタイムズ紙は一例として、アベノミクスの成果の一部とされている雇用増加や時給上昇が、「ほとんどがアルバイトやパートなどの非正規社員だ」と、現段階での短期的、かつ実質的な達成に関して懐疑心をあらわにしている。

雇用政策が段階を追って成果をあげる意図(非正規の雇用を増やし、徐々に正規雇用の増加につかげるなど)であることを、支持している報道は今のところ見かけない。

それゆえに議員選の結果についても、「国民にはほかの選択肢が与えられていなかった」と見ており、テンプル大学ジャパンのジェフ・キングストン教授の「国民は対決法案に不満を抱えているが、参院選自体に意味を見いだしていない」というコメントを掲載した。

与党圧勝後も総体的にアベノミクスの志半ばといった印象はぬぐえず、安倍首相が主張する「力強い政策」が今後どのように具体的に進められるのか、「経済下支えを強化するために、より効果的な景気浮揚策が必須」という反応が多い。

■「憲法改正への強い意思が働いている」

日本経済と同じくらい海外メディアが興味を示したのは、ニューヨーク・タイムズ紙に今年5月、「広島の平和の教訓を活かしていない」と批判された、安倍政権の目指す憲法改正への動きだろう。

英BBC放送は、安倍首相の経済政策を前面に打ち出した選挙戦略の裏に、「憲法改正への強い意思が働いている」と指摘。任期が終了する今後の2年間で、軍事行動の制約緩和に向け、安倍首相が意欲を示していると報じた。

米ABC放送も、安倍首相が選挙戦では「軍事制約緩和の可能性について触れなかった」点を指摘。

しかし改憲派が3分の2の議席を得たことで、憲法9条、日米同盟の下で維持されてきた「平和の国」が、別のものに変わるという懸念が欧米メディアの間にはあるようだ。特に中国に代表されるアジア近隣国の警戒心が高まるのではとの懸念もでている。

そのほか「米大統領選や英EU離脱の影響が、参院選にほぼ反映されていなかった」という点で、驚きを隠さない報道もあった。

この辺りは海外情勢、特に欧米の動きを自国と一歩切り離したところで見守る、多くの日本国民の特性を反映しているのかと思われるが、欧米のメディアの目には「不思議な国、日本」と映るのかもしれない。(アレン・琴子、英国在住のフリーライター)

最終更新:7月12日(火)11時10分

ZUU online