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南相馬の避難解除 市南部の復興本格化

福島民報 7月12日(火)10時5分配信

 政府は12日午前零時、東京電力福島第一原発事故に伴う福島県南相馬市の避難区域のうち居住制限、避難指示解除準備の両区域を解除した。対象人口は同市小高区を中心とした約1万800人で、これまで解除された市町村で最も多い。生活圏の除染など課題を抱える中、原発事故から5年4カ月を経て、市南部の復興に向けた取り組みが本格化する。
 南相馬市の居住制限、避難指示解除準備両区域を巡り、政府は5月の住民説明会で7月1日の解除方針を示したが、市は市民の意見を踏まえて延期を求めた。生活環境の整備状況などを踏まえ、最終的に相馬野馬追開催前の12日の解除が決まった。
 7月1日現在の居住制限区域の人口は457人(121世帯)、避難指示解除準備区域は1万350人(3366世帯)で計1万807人(3487世帯)。両区域には市南部の小高区全域が含まれ、対象人口は市全体の17%、対象世帯は15%に当たる。
 小高区では平成30年、多世代が交流できる復興拠点施設がオープンする予定。既に業務を再開している区役所と住民が一体となり、地域コミュニティー再生に向けた取り組みを進める。
 区域内では上下水道は復旧が完了した。道路は津波被災地の一部を除き整備を終えている。災害公営住宅40戸が完成したほか、市営住宅の修繕も進み、古里に戻る住民を受け入れる体制が整いつつある。市内の商業施設、医療施設などを利用する際の足となる市のジャンボタクシーは避難指示解除と同時にダイヤを改正し、利便性向上を図る。
 一方、区域内の宅地除染は一部を除いて終わったが5月末現在、農地の完了率は35%、森林62%、道路39%となっており、作業が終わるのは平成29年度内の見通しだ。放射線に不安を抱く住民のため、市は相談業務などを通じて帰還を後押しする方針。医療・介護施設や商業施設を整備するよう求める声も出ている。
 避難指示解除は田村市都路町、川内村、楢葉町、葛尾村に次ぎ5市町村目。
 南相馬市内の帰還困難区域(1世帯)が解除される見通しは立っていない。

福島民報社

最終更新:7月12日(火)10時21分

福島民報