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セブンは沖縄で成功するのか? “仁義なき戦い”が始まる

ITmedia ビジネスオンライン 7月12日(火)7時24分配信

 先日、セブン-イレブン・ジャパンが、沖縄への出店に向けて県内の複数企業とフランチャイズ契約の交渉を進めているという報道があった(参考記事:セブンイレブン“唯一の空白県”沖縄進出 2~3年内目標に複数企業と交渉『沖縄タイムス+プラス』)。

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 セブン-イレブンにとって沖縄は、国内で唯一の空白地。同社の広報によると、「具体的には決まっていない」としているが、コンビニのシェア争いの最終ゴングが鳴らされたと言っていいだろう。

 そこで今回は、沖縄のコンビニシェア争いについて考えてみよう。

●セブンの最後の砦・沖縄

 ここで、沖縄のコンビニ出店状況を見ておこう。

 先の記事によると「県内では2016年2月末現在、首位の沖縄ファミリーマートが269店舗を展開。ファミリーマート本体とココストアの経営統合に伴い、16年度内に300店舗に達する計画。ローソン沖縄は191店舗(同2月末)」とある。

 コンビニ展開を成功させる鍵は2つある。1つは、必要な物流拠点をどうするのか。もう1つは立地だ。

 どのコンビニも、品ぞろえ自体に大きな違いはない。違いがないということはつまり、店舗の立地こそが、ユーザーにとってどういう場所なのかがポイントになる。沖縄の立地状況を見る限り、主要な立地は、先行組のファミリーマートやローソンがすでに抑えている。

 視点を変えて、対人口比でも比較してみよう。

 全国平均の1店舗当たりの人口は2500人弱であることから、まだ余裕があるように見えるが、沖縄は日本有数の観光地。2015年度の観光客は800万人近くいる。人口と観光客数の面から見てもセブンの入り込む余地はありそうだ。

●無謀な戦略、でも「ガンガンいこうぜ」

 セブンの沖縄参戦は一見難しく思えるが、筆者は幾度となく同社の無謀な戦略を目撃している。

 “王者”セブンは、「自社こそが最強のコンビニである」と自負しており、もちろん実績もともなっている。しかし、その発想が尋常ではないのだ。自分たちが出店すれば、競合店は勝手に潰れてくれると思っている。いや、そう思っているだろうと受け取れる出店方法をしているのだ。

 コンビニの主力商品は弁当や飲み物だが、売り上げを伸ばすのになくてはならないアイテムがある。それは、たばこライセンスだ。たばこの販売ライセンスは、誰でも取得できるわけではない。地域によって違いはあるが、既存のタバコ販売店からの距離や店舗の販売数によっては、たばこを売りたいと思っても売れないという大人の事情がある。

 そのため、コンビニを出店するときは、現在たばこはどこで売っているのか、そしてそこからの距離はどのくらい離れているのかを綿密に調査する。場合によっては、空いている土地があっても、既存のタバコ販売店から近いと出店を断念することも珍しくない。

 ところが、セブンはそれを無視して出店してきた。自分たちが店を出せば、たばこの取り扱いはなくても、それ以外の売り上げをすべて奪える自信があり、「たばこのライセンスは他が潰れてから取得すればいい」という考えなのだ。そして、たばこしか売れなくなったコンビニは倒産する――その戦略で何度も成功しているのだ。

●コンビニ大手3社の“縄張り争い”

 たばこライセンスだけではない。その地域の一番いい場所に別のチェーン店が入っていても、近隣に店舗を構えて徹底的に叩く。そして、一番立地の店が潰れたらそこを陣取るというわけだ。

 もちろん、セブンとて全ての戦略が成功してきたわけではない。ただ、失敗したところで、同社が抱える膨大な資本力からすれば、蚊に刺された程度にすぎない。涙をのむのは、チャレンジ物件を押し付けられたオーナーなのだ。

 沖縄のコンビニ立地はほぼ埋まっているだろうが、人口には多少の余裕がある。セブンは、ドラクエの戦闘モードのように、スペースがある土地に容赦なく出店してくるだろう。

 これは、成功か失敗かは関係なく、また、お客さんの利便性とも関係ない。コンビニ大手3社の単なる“縄張り争い”でしかないのだ。

 2年後、3年後には巻き起こるであろう仁義なき戦いを、沖縄県民の目にはどう映るのだろうか。

(川乃もりや)

最終更新:7月12日(火)7時24分

ITmedia ビジネスオンライン

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