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『アリス・イン・ワンダーランド』ゆかりの英国を訪ねて ギルフォード編

オリコン 7月13日(水)12時55分配信

 7月1日より公開中の映画『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』(ジェームズ・ボビン監督)。原題は『ALICE THROUGH THE LOOKING GLASS』で、英国人作家ルイス・キャロルの不朽の名作『不思議の国のアリス』の続編『鏡の国のアリス』がそのままタイトルになっている。

【動画】「アリス」ゆかりの地・英国を訪ねて

 1871年に発表された『鏡の国のアリス』はロンドン郊外の町・ギルフォード(Guildford)にある邸宅で執筆されたことがわかっている。ロンドンから南へ、ウォータルー駅から電車で30~45分くらい。ロンドンへの通勤圏内にあり、ベッドタウンとして非常に人気が高いギルフォード。実際に訪れてみると、キャロルが生きていた120年前にタイムスリップしたのではと錯覚してしまうほど、古い町並みも残されていた。

 キャロルはオックスフォードに住んでいたが、1868年にギルフォード城の近くの邸宅に叔母と妹たちが移り住んでから、クリスマス休暇をギルフォードで過ごすようになる。その後、30年ちかく行き来し、ギルフォード滞在中の1898年1月14日、キャロルはインフルエンザから併発した肺炎にかかり、そのまま息を引き取る。享年65。この町の高台にある共同墓地にいまも静かに眠っている。

 その邸宅は「チェスナッツ館」と呼ばれ、現存している。裏手には「アリス・ガーデン」として整備された一角があり、アリスが鏡の中に入り込む挿絵を立体化したモニュメントがあって、アリスファンが世界中から訪れる。この印象的なモニュメントが現在上映中の『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』では見事に映像化され、観客を引きつけるワンシーンになっている。

 町の郷土資料館に相当する「ギルフォード・ミュージアム」にはキャロルの遺品の一部が寄贈されており、アリスのモデルになったアリス・リデル直筆の手紙も展示されている。その手紙は、ギルフォードの町が行ったルイス・キャロル生誕100年祭に招待された当時80歳のアリス(結婚してアリス・ハーグリーブス)が、式典への出席を伝えたもので、ガラスケースの中でものすごい存在感を放っていた。

 後世のクリエーターに多大なインスピレーションを与え続けている ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』。原作が発表されてから約150年。「時間」は多くのものを与えてくれることに気づかされる。

 物語は世界中に伝播し、一方で、映画が生まれ、映像技術が飛躍的に進化。ティム・バートンやジョニー・デップといった才能ある人たちが集まって、2010年に映画『アリス・イン・ワンダーランド』が公開され、世界中で大ヒット。さらに6年の月日を重ね、続編『アリス~/時間の旅』は奇しくも時を操る番人・タイムとの戦いがテーマになっている。過去に囚われていまを生きることを忘れてしまったマッドハッターを救うため、アリスはタイムに逆らい、過去を変えようと奮闘する。その中で、アリスもまた、「時間」の本当の意味に気づく、といったストーリーになっている。

最終更新:7月13日(水)13時33分

オリコン