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<北朝鮮内部>忘却される首領金日成 22周忌行事に住民「何の日だっけ?」 (写真3枚)

アジアプレス・ネットワーク 7月12日(火)6時40分配信

去る7月8日は金日成氏の22周忌。平壌では金正恩氏を筆頭に、中央の幹部が金日成氏の遺体が安置されている錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を参拝した。地方都市でも追慕行事が開かれたが、人々の金日成に対する記憶は薄れ、行事の厳格さも失われているようだ。北部地域に住む取材協力者が伝えた。(カン・チウォン)

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この取材協力者は7月8日の連絡で、居住地では6日に金日成追悼行事の講演会があったとして、その雰囲気を次のように伝えてきた。

「昔と全く違いますよ。今や、(金日成に)気を使う人はいません。何の日だったか忘れてしまっている人が多い。テレビで7月8日が死亡した日だと伝えていたので思い出した程です」。

かつて、7月8日の追悼行事といえば、冠婚葬祭や歌舞謡曲、飲酒がタブーとなり、それに反したり、行事に欠席したりすると政治問題になるほどだった。

「金日成が死んだ94年から三年間の服喪の間、酒を飲んだり祝い事をしたりした人間が『不敬』だとして、数多くが政治犯にされました。その恐怖の記憶が鮮明なので、2010年頃までは、怖くて7月の追慕行事の前後は行動を注意するのが当たり前でした」
平壌に住んでいた脱北者はこう語る。

しかし、最近では、追悼の雰囲気はすっかり希薄になってしまったようである。前出の北部地域に住む取材協力者は、今年の行事について次のように伝える。

「追悼行事の講演会は、金正恩を敬い奉るという内容が中心。国務委員長に推挙された金正恩の業績を宣伝し、金正恩に従って遺訓貫徹をしっかりやろうという内容だった」。

今や北朝鮮の若世代にとって、金日成氏は記録映画の中だけで見る、実感のない遠い過去の偉人になってまった。忘却は時の流れの宿命であるが、「白頭の血統」を自己の権威の源泉としてきた金正恩氏にとって、祖父・金日成氏の存在が希薄になることは、決して良いことではないだろう。

最終更新:7月12日(火)6時40分

アジアプレス・ネットワーク