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いま、日本のエンジニアリソース不足を解決するためにできること

ReadWrite Japan 7/12(火) 22:30配信

いまだに日本にはなぜApple、Google、Facebookのようなグローバルレベルでの成功を収めたスタートアップが出てこないのだろうか。その答えは、国内のエンジニア人口の低さやステータスの低さが影響しているのかもしれない。

未経験から1ヶ月でサービスを作れるエンジニアになれるプログラミングスクール『TECH::CAMP』を運営する株式会社divでは、即戦力のプロフェッショナルエンジニアを育成する『TECH::CAMP EXPERT』を開始。取締役である新保 麻粋(しんぼ・まいき)氏に、日本のエンジニアの「育成環境」における課題とそこへの一手についてお話を伺った。


■「TECH::CAMP EXPERT」を始めた理由:3ヶ月で即戦力のエンジニアは育つ


 - 従来の『TECH::CAMP』に加えて、3ヶ月でプロのエンジニアになれるプログラム『TECH::CAMP EXPERT』を始めた背景はなんですか?

新保氏:今エンジニア人材の需要が増えているのに対して、圧倒的にエンジニアリソースが枯渇しています。2016年6月10日の経済産業省の発表によると、「現在のIT人材不足人数が約17万人。2020年には不足が2倍強の約37万人に、30年にはさらにその2倍強の約79万人に増加する」と言われています。そんな状況だからこそ、エンジニア育成を得意とするわたしたちが「即戦力になれるエンジニア」を輩出していかなければならないという使命にも似たものを感じました。

すでにサービスを開始している『TECH::CAMP』では、1ヶ月で未経験からサービスを作れるようになることを目的として、プログラミングの基礎を教えるサービスを提供していました。そのナレッジを活かし、先に述べたようなエンジニアリソース不足問題を解決すべく、より即戦力なプロのエンジニアを輩出すべくこの度このエキスパートコースを開始しました。

今回のエキスパートコースは、3ヶ月間最低週5日、1日9時間の学習ができる方を対象にしたコースです。プログラミングの基礎文法やサービスの仕組みといった基礎知識の習得に加え、様々な企業で使われている応用的な技術やチームビルディングの仕方などを学びます。実際のプロジェクト開発と同様の環境に即して、プロのエンジニアとして必要なノウハウを学ぶためのプログラムを用意しています。

現状、この構想をお話しすると「3か月で本当に1人前な育成が可能なのか?」といった反応がよく返ってきます。過去の通常コースを始める際にも「1年かかることを1ヶ月でするなんで不可能だ」というような声が上がっていました。しかし、実際はそのような疑問の声とは違い、受講された皆さんは1ヶ月でも未経験からサービスを作れるエンジニアになっています。プログラミング学習に最適な環境さえ揃えば、期間の固定概念は関係なくしっかり育てられると考えています。

海外では、『TECH::CAMP』のような短期集中プログラミングスクールの事例がすでに多くあり、今回のエキスパートコース同様の3ヶ月の短期集中プログラミングスクールも流行っています。そして3ヶ月でエンジニアとして転職成功している事例も多く生まれています。まだ日本には成功事例が無いですが、間違いなく可能性はありますので、日本でも即戦力のエンジニアを育て、育てたエンジニアを就職まで一気通貫で支援する「TECH::CAMP EXPERT」を始めました。


 - 3ヶ月じゃ厳しいという企業からの声はどういった理由から来るのでしょうか?

新保氏:これまでのエンジニアリングといえばOJT型の現場で学ぶことが多く、体系的に学べる機会が圧倒的に少なかったという現状があります。そういった環境でエンジニアリングを学んで来た方からすると、3か月じゃ厳しいと考えるようです。ですが、先にも述べたように、過去の弊社の卒業生の成長を見る限りは、体系的なプログラミング学習機会を提供できさえすれば、3ヶ月でも十分通用するエンジニアを育てることも可能だと感じています。

また、様々な人事の方ともお話しさせていただいたのですが、どうしてもプログラミングスキルを保有していない人事は、年数だとか実績だとかそういった目に見える定量的なものでの判断をしがちだとのことです。

そこで、『TECH::CAMP EXPERT』では制作物だったり、スキルチェックだったり、人事の方がエンジニアが具体的にどのくらいのプログラミングスキルを保有した人材なのかを把握できるような仕組みにしています。そういったことを通じて、”TECH::CAMP EXPERTから輩出される人材は「優秀」だ”という実績をこれから作っていきたいと思っています。


■ITエンジニアを”クールでカッコいい”職業に変えていきたい


 - 今後の『TECH::CAMP EXPERT』の展望はなんですか?

日本のエンジニアリソース不足を解決すべく、活躍できるエンジニアを増やしたいと思っています。また、そのためにもエンジニアという仕事に対する国内のイメージや理解を変えていきたいですね。

そして、現在企業で働いている営業や、マーケティングといった方にとっては、新たにエンジニアリングを学ぶ場所が無く、エンジニアになる機会が社内には用意されていません。エンジニア人口を増やすためにも、まずは通常の『TECH::CAMP』で入り口を広げて、プログラミングに触れてサービスを作る楽しさを知ってもらえればと思っています。エンジニアを志し、もっと本格的なプログラミングスキル習得をしたいと思ったら是非『TECH::CAMP EXPERT』にいらしていただければと存じます。

また、海外と比較すると、まだまだ国内のエンジニアのステータスは低い。日本でエンジニアというと”オタク”のイメージを持つ人も多いと思いますが、アメリカだと”クールでカッコいい”というイメージの職業ですよね。プログラムを書くことでサービスやプロダクトを創れるという点で若い人に人気もあります。そういったイメージの違いやITとの距離感というのが課題かなと思いますのでそこに対するイメージづくりにも一役買っていきたいと思います。

それでも、あと2,3年でそのイメージも変わっていくと思います。それこそ義務教育化が決まりかけていたり、小中高生がプログラミングに触れる機会も増えてきたりしていますし、デジタルネイティブ世代の方も大学生くらいになってどんどん関心が強くなっているので、上手く時流に乗って教育の体制を整えていけたらいいなと思っています。

間違いなく今後エンジニアが増えてプロダクトづくりが活発になっていくので、そういった流れを弊社がマーケットリーダーとして作っていけたらいいなと考えています。


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◇今回取材した方◇

株式会社div 取締役 
新保 麻粋(しんぼ・まいき)氏

横浜国立大学工学部卒。在学中にプログラミングを始め、エンジニアとして複数のウェブ、スマートフォンサービスをリリース。その後ベンチャーのCTOとしてフロントエンド、バックエンドの開発を行う。大学卒業後、株式会社divで取締役に就任。同社の事業TECH::CAMPでシステム開発、カリキュラム作成、メンター、新規コース開拓など幅広く活動している。

ReadWrite[日本版]編集部

最終更新:7/12(火) 22:30

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