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18、19歳の投票行かない理由 多忙や無関心「きれい事いうだけ」

福井新聞ONLINE 7月12日(火)7時59分配信

 選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられた10日の参院選。注目された18、19歳の投票率は、総務省の抽出調査では45・45%と全体を9・25ポイント下回った。福井県内の高校では模擬選挙を行うなど主権者教育に力を入れてきたが、投票に行かなかった同世代の県内有権者は「関心がない」「部活が忙しい」などを理由に挙げた。「住民票が福井にない」という県外出身学生や、「若い候補者だったら関心が持てた」と、30歳以上という被選挙権年齢を引き下げる提案もあった。

 北陸高の男子生徒は「部活が忙しく、10日も夕方まで練習だった。投票に行く余裕はなかった」。学校で投票に関する集会があったが「選挙への関心は持てなかった」と打ち明け「若い候補者が多かったら、ちょっと違ったかも」と話した。

 参院選の被選挙権は30歳以上。若者団体「SEALDs(シールズ)」のメンバー、小浜市出身で和歌山大の服部涼平さん(22)は、今回の投票率を踏まえ「被選挙権の引き下げを検討すべきでは」と提案した。

 政治不信を理由に挙げる高校生も。福井工大福井高の男子生徒=福井市=は「そもそも選挙が信じられない。きれい事を言って結局実行しなかったり、意見を変えたりする政治家を見てきた」。初めて得た選挙権に期待はなく「当分行くつもりはない」。

 一方、「プレミア感があって、投票には行きたかった」と話すのは福井大の東川竣也さん(19)=越前市。結局、授業やアルバイトで時間がつくれず行けなかった。ただ、投票した友人は「最後はよく聞く名前で決めた」と話すなど、真剣に政治を考えている人は少ないと感じた。

 県立大の昆沙賀活輝さん(19)=福井市=は「無理に選挙に興味を持たせて、世論を動かすのはどうか」と、投票率を上げようとする社会の動きに疑問を呈した。「例えば憲法改正と護憲。どっちも理解できるから、自分は選べない。選べる人が投票すべき」とした。

 選挙は住民票が登録されている選挙区での投票になる。京都府出身の福井大女子学生(18)は「投票したかったけど、住民票を移しておらず、帰省する交通費がもったいなかった」。北海道出身の県立大男子学生(19)も「選挙だけのために帰るのはちょっと…」と話した。

 大型工作機械などの販売会社に勤める串田真央さん(19)=福井市=は「行きたい気持ちは強かったが、候補者を選ぶ基準が分からなかった」、服飾衣料資材の生産・販売会社に勤める男性(18)=同=は「政治に関心がなく、参院選があることすら知らなかった」と話した。

 県内の大学生らでつくる県明るい選挙推進青年活動隊(CEPT)の江尻真斗代表(22)=県立大=は、投票率の伸び悩みについて「残念。投票に行こうと呼び掛けるだけでなく、政治に興味を持ってもらうような啓発活動を考えていきたい」と述べた。

 有権者の投票行動に詳しい埼玉大の松本正生教授(政治意識論)は「今後も10代の有権者は生まれる。長い目で、18歳選挙権が定着するかをみる必要がある」とし、主権者教育など社会の支援体制が重要とした。

福井新聞社

最終更新:7月12日(火)7時59分

福井新聞ONLINE