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あか牛 健康志向で人気高まる 枝肉価格 5年で5割上昇

日本農業新聞 7月12日(火)12時30分配信

 脂肪分が少なく赤身が多い和牛「褐毛和種」(あか牛)の人気が高まっている。枝肉価格は右肩上がりで、この5年間で5割上昇した。胃もたれしにくく、カロリー控えめという特徴が健康志向の消費者に浸透。提供する外食店や小売店も増えている。一時減少した出荷頭数は、この2年増加している。品薄高の黒毛和種とは異なる様相を見せている。

 主産地の熊本県畜産協会のまとめによると、あか牛枝肉の相対取引価格(税別)は2015年、1キロ当たり1817円だった。11年は1200円台だったが、12年から上げ続けている。熊本地震の影響で出荷が落ちる前の3月の取引頭数は前年並みで、価格は2151円と前年同月比26%高まで上がった。5月は2181円だった。

 この5年間の年間取引頭数は1500~2100頭。枝肉の人気を受け、県は14年度、乳牛へあか牛の受精卵を移植する増頭事業に着手。その効果で約140頭が新たに生まれた。関係者は「需要に応えられるようさらに増やしたい」と意欲的だ。

 東京・銀座のレストラン「つばめや」は昨年8月、それまで不定期だった熊本産あか牛の仕入れを毎月に変更した。あか牛のステーキやハンバーグ目当ての客が増えるなど、人気が定着したからだ。

 「褐毛和種赤身イチボ100グラム1900円」など、その日に入荷した部位を看板に書き出してPRする。価格は黒毛和種(経産牛)の1.5倍だが、客は「赤身とさしのバランスが程よい」と高く評価する。経営するつばめ(東京都港区)の小山祐樹主任は需要の伸びを見込み、「仕入れ量をさらに1.5倍ほど増やし、販売店舗も広げたい」と意欲を見せる。

 あか牛の販売強化に取り組む店は増えている。小売店、外食店に部分肉を販売する食肉卸のミートコンパニオン(立川市)の仕入れ量は、本格的にあか牛を扱い始めた6年前に比べ約3倍に増えた。ミートパッカー部の小石伸市部長は「赤身ブームに便乗して試験的に導入する店が多かったが、外食店などで定着するようになってきた」と明かす。

日本農業新聞

最終更新:7月12日(火)12時30分

日本農業新聞