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ナイン鍛える2代目女子ノッカー 羽水高マネジャー、中学ではエース

福井新聞ONLINE 7月12日(火)8時22分配信

 「もういっちょ!」。球児の声が響くグラウンドではいつもの守備練習の光景。だがノックを打つのは監督ではなく、女子マネジャーだ。福井県立羽水高野球部の“2代目”女子ノッカーを務める古市琴美さん(3年)。打球を外野奥深くまで飛ばし、キャッチャーフライまで完璧にこなすノックでナインを鍛えている。

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 古市さんは兄の影響で小学1年の時に野球を始め、足羽一中ではエースとして活躍した。羽水高野球部の八力昌輝監督が「きれいなフォームでいい球を投げる」と絶賛するほどだ。

 進学先を選ぶ際、中学3年の時の学校説明会が転機となった。羽水高の野球部を見学した際、マネジャーがノックを打つ姿を見て「自分もやってみたかった。マネジャーもやりたかったし、なにより中学までやってきた野球に携わりたかった」と進学先を決断した。

 入学してからマネジャーの仕事に加えて、自身のノックの練習も欠かさない。「監督のノックを受けている他のチームに比べて、守備力が劣ると思われたくない」と朝練習で約1時間1人で外野に向かってノックをひたすら打ち続けるなど練習を積み重ねた。

 “初代”女子ノッカーの西山日向さん(19)は「選手に応じて打球を打ち分けている。私にはとてもできませんでした」とその技術に舌を巻く。山口真生主将も「チームの声が出ていないときには指摘してくれる」と頼りにしている。

 2年生の夏から公式戦前のノックを担当するようになったが、ことしの春前、高野連からけがの恐れがあるためと公式戦で女子はノックができなくなった。「悲しかったし、悔しかった」と当時は1週間近く落ち込んだ。

 だが、選手のためという本来の目的は見失わなかった。立ち直り、さらに練習に励んだ。今では「倒れそうになっても(ノックを)打ち続けている。なかなか僕に打たせてくれません」と指揮官は笑う。

 高校最後の夏。ノッカーとしてグラウンドに立つことはできないが「今まで支えてくれたみんなに感謝している。一つでも多く勝ってほしい」とベンチからナインとともに最後まで戦い抜く。

福井新聞社

最終更新:7月12日(火)12時58分

福井新聞ONLINE