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星州がTHAAD配備候補地に急浮上 既存ホークミサイル基地の利点を考慮

ハンギョレ新聞 7月12日(火)11時58分配信

既存基地活用で住民反発を最小化 近くの慶尚北道・漆谷と大邱・寿城にパトリオット砲隊 主な米軍基地の防衛に有利 ソウルなど首都圏は防衛不可能

 在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)配備予定地に慶尚道圏、中でも星州(ソンジュ)が有力視されているのは、軍事的効用と住民の反発、基地造成費用などすべてを検討した結果と見られる。

 嶺南(慶尚道地域)圏は南北武力衝突が起きた際、北朝鮮の長射程砲の射程距離から外れ、開戦初期の北朝鮮の軍事的脅威を最小化できる。また星州は、THAADの射程距離200キロメートル以内に米軍の主要基地の平澤(ピョンテク)と大邱(テグ)地域が入る。平沢基地は漢江以北地域の米軍2個師団の兵力を結集して駐留する主要軍事施設になり、すぐ隣には烏山(オサン)米空軍基地がある。慶尚北道漆谷(チルゴク)と大邱の米軍基地は、有事の際、釜山(プサン)港などから増援される米増員戦力が集結する主要後方基地であり、莫大な軍需物資と戦闘装備が備蓄されていることが分かった。軍当局者は11日、「星州にTHAADが配備されれば、大邱や平澤など米軍の主要施設だけでなく、全羅北道・群山(クンサン)の米軍基地、軍の陸・海・空軍本部が集まる忠清南道・鷄龍台(ケリョンデ)にも北朝鮮のミサイルに対する防空網を提供できる」と話す。

 軍はすでに星州にホークミサイル砲隊で構成された防空基地を運用している。ホークミサイルは1960年代、米国が開発した中距離地対空ミサイルだが、老朽化し、現在は段階的に国産の「天弓ミサイル」に交換されている。軍としては今回、これらホークミサイルを天弓ミサイルの代わりに、一気にTHAADに交代する案がコスト面でも有利と判断したはずだ。

 星州の防空基地は、一時、軍内部で軍事的効用性をめぐり議論があったとされる。周辺にすでに先端の性能を誇るパトリオットミサイル砲隊が2箇所配置されているからだ。漆谷には米軍のパトリオット砲隊があり、大邱・寿城には韓国軍のパトリオット砲隊が運用されている。周辺にこれだけの防空網が集中している点を挙げ、「星州に老朽化したホークミサイル基地を運用する必要があるのか」と指摘されるようになった。そこへTHAADを配備すると、軍事的に似通った射程の防空ミサイルを重複配置する非効率性を除去でき、はるかに高い高度で広範な地域に防空網を提供できるようになるということだ。住民の健康や安全、環境問題などを取り巻く地域住民の拒否感の解消面でも、新たに基地を建設する案より、従来の防空基地を活用する案が有利だと判断したものとみられる。

 このほか、慶尚南道の梁山(ヤンサン)には、一時ナイキミサイルを運用したが現在は使われていない基地があることから、直ちにTHAADを配備できる点、在韓米軍の漆谷基地も星州と似たような作戦環境を提供する点などのためから、これら慶尚道地域も有力なTHAAD配備候補地として挙げられる。一方、京畿道・平沢(ピョンテク)、忠清北道・陰城(オンソン)、江原道・原州(ウォンジュシ)は、北朝鮮の長射程砲の射程距離内にあるうえ、THAADでは休戦ラインから近い首都圏防衛に限界があるという評価により除外されたものとみられる。

 しかし、THAADの慶尚道地域の配備は、人口の半分が集み国家の主要施設が密集するソウルをはじめ首都圏防衛の放棄に映り、議論を呼びそうだ。特に韓中関係を損なってまで、あえてソウル・首都圏すら守らない兵器を持ち込む必要があるのか問題になり、反発世論が予想される。国防部はこれと関連して「数週間内に」THAADの配備地域を公式に発表し、首都圏防衛策も一緒に説明する計画だ。

パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月12日(火)11時58分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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