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前期展1週間切る 傑作求めファン続々  河鍋暁斎展

北日本新聞 7月12日(火)18時37分配信

 県水墨美術館で開かれている企画展「鬼才-河鍋暁斎(きょうさい)展 幕末と明治を生きた絵師」は12日、前期展終了の18日まで残り1週間を切り、平日にもかかわらず多くの人が足を運んだ。団体鑑賞もあり、ディテールを追求した美人画や、奥行きのある墨の表現が生きる水墨画などの傑作と向き合い、奇想の絵師の絵画世界を満喫した。

 同展は、ヨーロッパでも人気を呼び、近年国内で再評価の機運が高まる河鍋暁斎の作品を前後期合わせて113点を展示。幅17メートルの大作「新富座妖怪引幕(しんとみざようかいひきまく)」や暁斎がデザインした工芸品など11点を除く大半が前後期で入れ替わる。

 休館日明けとなったこの日は、午前から大勢の美術ファンが訪れた。富山市民大学で「美術の世界」のコースを受講する84人も来場。桐井昇子主任学芸員の案内で世界が注目した多彩な画技に触れた。

 にこやかな福女を題材にした「お多福図」は、手にしたうちわに相撲を取る子どもたち、着物には華やかな図柄が細密に描かれている。桐井学芸員は、研究熱心な暁斎が珍しい着物を着た女性を追い掛けてスケッチし、ストーカーと勘違いされたエピソードを披露。「単眼鏡で細部までじっくり見たい作品。絵にどん欲だった暁斎のこだわりが分かる」と説明すると、来場者はぐっと身を乗り出して作品に見入っていた。

 富山市旭町の井澤敬さん(80)は「別人のように一つ一つの作品の印象が異なり、多様な描きぶりに驚いた。後期展でもどんな作品が並ぶのか今から楽しみ」と語った。

 県水墨美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、河鍋暁斎記念美術館主催。19日は休館で、20日から後期展が始まる。

北日本新聞社

最終更新:7月12日(火)18時37分

北日本新聞