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バイオベンチャーが藻類から有効成分を生産

沖縄タイムス 7/13(水) 6:49配信

 ケイ藻などの微細藻類を大量に培養し、糖尿病や肥満に効く有効成分「フコキサンチン」を高純度で精製する独自技術を持つバイオベンチャー企業の「ファイトロックス」(うるま市、伊藤史紘代表取締役)が来年1月から本格生産に入る。8月にプラントを増設し、2018年度のフコキサンチン生産量を現在の3倍に増やす。すでに県外の製薬・化粧品会社2カ所とサプリメントなどの研究開発に着手している。今後はもろみかすや廃糖蜜の再利用も考えている。(政経部・平島夏実)

 フコキサンチンはカロテノイドの一種で、抗糖尿病作用や抗肥満作用を持つことが弘前大学の前多隼人助教授による研究などで分かっている。昆布やワカメを原料とした場合100キログラムからわずか約2グラムしか生産できず、廃棄コストや運送コストがかさむ。さらに冬場の収穫が難しく、海洋汚染の影響も受けやすい。
 ファイトロックスは、フコキサンチンの含有量が昆布やワカメの約150倍の微細藻類を原料にする。全く水流のないプラントでも培養可能。現在市場に出回っているフコキサンチンは純度1~5%だが、同社の製品は全国的にも例のない高純度(40~50%)になっている。臭いはほぼない。
 フコキサンチンの生産量(純度100%換算)は18年度、現在の月10キロから月30キロに増やす。沖縄開発金融公庫から約3億円の融資を受け、現在1基あるプラントを8月には6基(計2万リットル)増設する。県の補助(2年間で最大約8千万円)で品種改良のための機械もそろえる。すでに県外2社とサプリメントや飲料の開発に着手しており、フコキサンチンを取った後の残りかすは県外の飼料会社に販売することが決まっている。
 培養液は、北谷町にある県企業局の海水淡水化センターから出る濃縮海水(塩分濃度約6%)をトラックで自社工場に運び込んで希釈したもの。海水を自前で採取するよりも低いコストに抑えている。
 ことし1月からは、アミノ酸やビタミンを多く含むもろみかすを培養液に混ぜる研究を沖縄市の新里酒造と進めており、ほかに廃糖蜜の再利用も検討している。ファイトロックスの伊藤代表取締役は「県産原料で培養できる株を探したい」と話している。

最終更新:7/13(水) 6:49

沖縄タイムス