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リフレへのマクロ政策に対する反応を良くするミクロ政策も重要

ZUU online 7/13(水) 11:10配信

参議院選挙でアベノミクスが国民から信任され、アベノミクスを更に推進し、デフレ完全脱却を目指すことが確定した。アベノミクスの政策は、期待に働きかけて、企業活動を押し上げ、その力を使ってデフレ完全脱却に向かう枠組みである。

■名目GDPの縮小が最大の問題

金融緩和と財政拡大を合わせ、名目GDPをリフレイトするとともに、長期金利を抑制し、名目GDPと長期金利のスプレッドを持続的にプラスにする。それによって、経済とマーケットを刺激し続け、デフレ完全脱却を目指すものである。

そして、現在の日本経済に起こっている大きな変化は、名目GDP成長率(膨張の力)が国債10年金利(抑制の力)をトレンドとして上回り始めていることだ。このスプレッド(名目GDP成長率-長期金利)が、アベノミクスの姿の特徴であると言える。

抑制の力が膨張の力より強かったこれまでとは違い、バブル期以来はじめての大きな局面変化をむかえていることを示す。デフレ下での「縮小均衡」から、リフレという「拡大均衡」へと転換しつつある。

名目GDPが縮小している状況では、政府がいくら改革の旗を振り、制度を変更しても、民間は動けず、成果をあげることは困難であった。名目GDPが縮小していることを最大の問題と考え、まずその拡大を目指すリフレ政策は正しいと考える。構造改革の成功、イノベーション、生産性の向上、財政再建、そして社会の安定、即ち日本経済の復活には、名目GDPが拡大していることが必要条件であると考えられるからだ。

リフレの力を実感し始めることにより、日本経済とマーケットの展望も開け、株価をはじめとしたリスク資産価格の見通しも楽観的になっていくと考えられる。

■流動性の低い資産の活性化が好循環を生む

名目GDP成長率と長期金利のスプレッドと、日経平均の上昇率を比べると、きれいな相関関係が見られる。名目GDP成長率と長期金利のスプレッドから高齢化比率を控除すると、地価の上昇のモメンタム(前年比の今年と昨年の差)もある程度説明できる。しかし、名目GDP成長率と長期金利のスプレッドに株価がすぐに反応しているのと比較し、地価の反応はまだ遅れているようである。

リフレを目指すマクロ政策だけではなく、経済活動の反応を良くするため、制度改正などのミクロ政策も重要である。株式と比較し、不動産は流通コストが高いので、リフレの動きに反応が遅いのかもしれない。不動産でも、地価と比較し、流動性のより高いマンションの価格の反応はよい。

一例であるが、流通コストの低下のためには、容積率や取引の規制緩和だけではなく、一般的に不動産仲介手数料が売り手と買い手から両方徴収されている。だが、買い手からの徴収を禁止し、より買いやすい制度にする規制強化であっても有効かもしれない。割安感のある住宅(空き家も含む)の二次流通量が増えれば、リノベーション、耐久消費財、そして住宅ローンの需要も増えるだろう。

流動性の高くない資産がより稼動することにより、需要の増加と資産価格の上昇が好循環していくことで、国富はより強く拡大していくことになる。リフレを目指すマクロ政策に、民間需要がより反応しやすくすることも成長戦略の重要な柱であろう。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部 チーフエコノミスト

最終更新:7/13(水) 11:10

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