ここから本文です

復興加速のレール音 にぎわい戻り笑顔 南相馬の避難指示解除

福島民報 7月13日(水)9時59分配信

 福島県南相馬市の居住制限、避難指示解除準備両区域の解除に伴いJR常磐線原ノ町-小高駅間の運行が再開された12日、5年4カ月ぶりに小高駅ににぎわいが戻った。「古里再生への第一歩だ」。住民に笑顔が広がった。
 この列車から原ノ町-小高駅間の営業運転を再開します-。車掌のアナウンスが小高行きの一番列車内に響いた。住民は沿線で「おかえりなさい」と記した横断幕を掲げて列車を迎えた。「やっとこの日が来たね」。乗客は車窓に手を振りながら喜びを分かち合った。
 原発事故で原町区に避難している小高区出身の根本奈央美さん(15)=相馬高一年=はJR小高駅で折り返しの列車に乗り込んだ。初日に自宅から列車通学したいと、前日に小高区の自宅に泊まった。列車通学に小さな頃から憧れていたという。小学4年時から避難生活を送っているが、来週にも家族とともに小高区に戻る予定だ。「いずれは友人と一緒に電車で通学したい」と瞳を輝かせた。
 小高区の軍司昭子さん(67)は夫の昇さん(70)と一緒に原ノ町駅からの始発列車に乗車した。現在は原町区に避難している。「電車はよく使っていたので再開は本当にうれしい。若い人がどんどん戻り、以前より活気に満ちた小高になってほしい」。二人で顔を見合わせた。
 街中にも活気があふれた。小高浮舟ふれあい広場では小高商工会女性部のメンバーが腕によりをかけた夏野菜カレーを振る舞った。3月から準備宿泊している小高区の無職木幡康行さん(70)は「小高再生の大きな一歩だ。スーパーや飲食店が次々に再開して、街頭に人の声が響き渡る日が待ち遠しい」と舌鼓を打ちながら笑みを浮かべた。
 避難指示の解除で小高区内に住民以外の宿泊も可能となった。小高駅前の双葉屋旅館は12日に本格的に営業を再開した。女将(おかみ)の小林友子さん(63)は「大勢のお客さんに泊まってもらえることが何よりうれしい」と語りながら受け入れ準備に励んだ。

福島民報社

最終更新:7月13日(水)11時24分

福島民報