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「一緒に歩き続けてくれてありがとう」ギルガメッシュ、12年の歴史に終止符

音楽ナタリー 7月13日(水)22時50分配信

ギルガメッシュが7月10日に東京・Zepp DiverCity TOKYOにてラストライブ「girugamesh ONEMAN TOUR 2016“鵺-period-”」を行い、12年間の活動に終止符を打った。

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彼らの最後の雄姿を見届けるべく日本だけでなく、海外のファンもライブに参加。ステージを覆っていた白い幕が開くとオーディエンスは怒号のような歓声でメンバーを迎えた。最初に愁(B)、弐(G)、Яyo(Dr)の3人がステージに姿を見せ定位置にスタンバイ。続いて左迅(Vo)が力強い足取りで現れ、轟くようなグロウルで始まる「鵺-chimera-」でラストライブの口火を切った。4人はたたみ掛けるように、Яyoの破壊力あるパワフルなドラムと愁の重厚なベースがさく裂する「wither mind」、左迅と愁がシャウトの応酬でオーディエンスを熱狂させる「お前に捧げる醜い声」をプレイ。バンドの鬼気迫るパフォーマンスに感化されるように、フロアの狂騒はどんどんと加速していく。

最初のMCで左迅は、彼らには珍しく大切な大一番にも関わらず快晴に恵まれたこと、先輩バンドMUCCの逹瑯から「今日コケたら寒いぞ!」と叱咤激励を受けたことなどを笑いながら話す。そして「メンバー全員、体力の限界がくるまでこのステージに立ってギルガメッシュの音楽をここにいる全員に伝えたいと思います。だからお前らも精一杯思いっきり騒ごうか。今日は長えぞ、最後まで!」と叫び次のブロックへと突入した。このブロックの前半では、弐がステージ中央のお立ち台でドライブ感のあるギターソロを披露した「ROCKER'S」や強烈なビートで観客を躍らせた「Dance Rock Night」、左迅の呼びかけでフロアにサークルが生まれた「VOLTAGE」とアッパーチューンが連続する流れに。しかし「crying rain」で空気は一変する。弐の奏でるリバーブがかかった美しいギターの旋律に、左迅の憂いを帯びた歌声が重なり、切ない空気を紡ぎ出していく。その後の「睡蓮」でも、左迅の情感のこもった歌声が観客を酔わせていた。

続くMCで4人はヨーロッパツアーの思い出話に華を咲かせる。解散ライブという寂しさは微塵も匂わせず、普段のテンションで和やかにトークを繰り広げ観客を笑わせていた。トークでひと息ついたあとは左迅の「ここからさらにヒートアップしていきませんか?」という言葉から、4人は再びアッパーなロックチューンを連発していく。途中で12年間ステージのうしろでドラムを叩き続けていたЯyoが、ステージの前方に移動し、お立ち台からフロアにダイブするという自身の長年の夢を叶える演出も。上手と下手の両方のお立ち台からダイブしたЯyoは満足した表情で再びドラムの前に戻ると、先ほど以上にパワフルなドラミングを披露していた。観客の大合唱が4人の演奏を支えた「Another way」や「gravitation」を経て、第1部のラストナンバー「END」へ。ステージうしろのスクリーンには炎やマグマを思わせる映像が映し出され、シリアスで重厚な曲の世界を引き立てる。その後、Яyoの踏む怒涛のようなバスドラと、左迅の断末魔のようなシャウトが壮絶な余韻を残す中で第1部は終了した。

第2部が始まってからも、バンドと観客はハイテンションなまま。「volcano」ではフロアはヘッドバンギングの嵐が巻き起こり、「ULTIMATE 4」ではエッジーなギターサウンドに合わせて会場が激しく上下する。最新ミニアルバム「鵺-chimera-」からの楽曲を中心とした第1部から一転して、第2部は初期のナンバーも惜しみなく盛り込んだ内容に。実質最後のシングルとなった「INCOMPLETE」を挟みつつ、左迅が歌い出すや否や悲鳴にも似た歓声が上がった「crime-罪-」「腐界の闇」、「Deceived Mad Pain」や「開戦宣言」など1stフルアルバム「13’s reborn」の楽曲をメドレーで披露するコーナーなどが披露され、12年間のバンドの歴史を凝縮したパフォーマンスが繰り広げられた。また時間が経つにつれて4人のプレイは伸びやかになっていき、特にフロントの3人は縦横無尽にステージを動き回り、オーディエンスを挑発していく。

愁の奏でる深淵なベースが曲の幕開けを飾る「縁enishi」、黄色い照明が明るいサウンドを彩った「shining」と続いたあと本編最後のMCへ。左迅はここで初めてギルガメッシュの解散について言及し、解散ライブのチケットが完売したことについて「まだまだこんなにギルガメッシュのことを観にきてくれる人がいるんだなってすげえ感激しました」「(12年間の活動の中で)つらいこともあった、苦しいこともあった。メンバー同士ケンカすることもあった。でも俺たちはこのステージでたくさんの笑顔を見れました。俺たち自身もたくさんの笑顔をみんなに見せれたと思います。本当にありがとうございます!」と観客に感謝の思いを伝えた。さらに自身が中高時代ほとんど学校に通わず家に引きこもっていたことや、生きる目標や生きる目的がなかったことを口にしたあと、「このギルガメッシュというバンドに出会えて……楽屋に戻ったら言えないんで、今言いますけど、12年間一緒に歩き続けてくれてどうもありがとうございます。俺に生きる意味、生きる目標をくれたのはこのバンドです。そしてここにいるみんなのおかげです。本当に心からどうもありがとうございます!」と涙ながらに叫ぶ。フロアからすすり泣くような声が上がる中、左迅は自らを奮い立たせるようにスポットライトの下で「Go ahead」を伸びやかに歌い上げた。

しんみりした空気を消し去るように「飛ばしていくぞ!」と左迅が叫び、第2部は佳境へ。ヘビーな「斬鉄拳」を皮切りに、愁がステージ中央のお立ち台で豪胆なスラップベースを弾いた「driving time」、サークルモッシュが起きた「Never ending story」とアッパーチューンが続いていく。そしてトドメとばかりに投下された「evolution」で、オーディエンスの熱狂はピークに達した。

アンコールで登場した弐はギターを一瞬鳴らすも「バンド12年やってきて一番疲れてる!」とぼやき観客を笑わせる。「でも最後まできっちり弾かせてもらいます。Яyoはさっき泣いてたけど、俺は笑顔でみんなを送り出す!」と宣言し拍手喝采を浴びた。そして4人は「絶頂BANG!!」でアンコールをスタート。10年前に発表された「終わりと未来」を力強いバンドサウンドで奏でたり、左迅のむせび泣くような歌声が切ない空気を醸す「壊れていく世界」を披露。3時間以上にわたってパフォーマンスしていることもあり、4人は満身創痍といった様相ながらも1曲1曲を丁寧に奏でていく。最後に左迅は、愁、弐、Яyoの3人が爆音を鳴らす前で「俺たちは2016年7月10日に解散します。でも、俺たちが生みだした曲たちは永遠にこの世に生き続けます。この先みんなの大切な人、家族、友達に『こんなカッコいい曲あるんだよ』『こんなカッコいいバンドいたんだよ』って語りつないでいってくれたら、俺たち12年間やってきた意味が持てます。これからギルガメッシュを生かすも殺すも、ここにいるみんな次第だからな!」とシャウトする。続いて4人は拳を突き上げる観客に向けて、ギルガメッシュの十八番であるハイテンションなデジタルロックチューン「Break Down」を投下した。大サビでは銀テープが発射され、観客の顔の笑みが浮かぶ。去り際に弐は「12年間あっちゅう間だった。音楽はやめねえから」と述べ、Яyoも「音楽はやめられねえ。今後に期待!」と音楽活動を継続する旨を伝えた。

しかし、会場が明るくなったあとも観客はフロアを去ろうとせず、再びアンコールを求める。すると「もっと早くアンコールって言えや、ゴラ!」と悪態をつきながら左迅が登場した。彼が「こんなきれいな終わり方で終わるバンドじゃねえよ!」と叫び「お前に捧げる醜い声」につなげるも、弐のギターにトラブルが発生し、いきなり中断する事態に。「音楽の神様がこんなんじゃ終われねえって言ってるんだよ!」と左迅が怒号混じりにフォローすると、オーディエンスは爆笑した。仕切り直して始まった「お前に捧げる醜い声」ではバンドが鳴らす激しいサウンドに合わせてサークルモッシュが発生したり、クラウドサーファーが舞ったりとフロアは狂乱状態。さらに左迅はフロアに足を踏み入れ観客に支えられながらグロウルするなど、たかが外れたようなパフォーマンスを展開する。そして歌い終えるや否や、「とっとと帰れお前ら!」と左迅はマイクを床に叩き付けステージを去り、弐も「もうないから、絶対ないから」と念押しする。4人はオーディエンスに爪痕を残すような4時間におよぶパフォーマンスで、12年間の歴史に終止符を打った。

なおライブの模様は映像化されることが決定しており、「BARKS×ARTIST DELI SHOPPING」にて8月10日23:59まで予約を受け付けている。また解散ライブ当日に会場にてグッズ付きで販売されたギルガメッシュの新曲「period」が、各主要配信サイトにて配信されている。

ギルガメッシュ「girugamesh ONEMAN TOUR 2016“鵺-period-”」2016年7月10日 Zepp DiverCity TOKYO セットリスト
第1部
01. 鵺-chimera-02. wither mind03. お前に捧げる醜い声04. ROCKER'S05. Dance Rock Night06. VOLTAGE07. CRAZY-FLAG08. slip out09. crying rain10. 睡蓮11. Drain12. Horizon13. Another way14. gravitation15. END

第2部
16. volcano17. Vermillion18. ULTIMATE 419. 「少女A」20. FREAKS21. crime-罪-22. DIRTY STORY23. INCOMPLETE24. 13’s rebornメドレー(Jarring fly~遮断~robust conviction~Deceived Mad Pain~開戦宣言)25. 腐界の闇26. 縁enishi27. shining28. Go ahead29. 斬鉄拳30. driving time31. Never ending story32. evolution<アンコール>33. 絶頂BANG!!34. 終わりと未来35. arrow36. 壊れていく世界37. Break Down<ダブルアンコール>38. お前に捧げる醜い声

最終更新:7月13日(水)22時50分

音楽ナタリー

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。