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アニメビジネスに新風 「あにめのめ」は台風の目になれるのか?

オリコン 7月14日(木)6時0分配信

 異業種の5社が共同で企画を立案し、「あにめのめ」という名前をブランドに冠したテレビアニメを製作。その第1弾として『甘々と稲妻』が今月4日からスタートした。10月には第2弾『TRICKSTER -江戸川乱歩「少年探偵団」より-』が控える。

放送中の『甘々と稲妻』と10月からの『TRICKSTER』

 タッグを組むのは、映画製作・配給会社のアスミック・エース(本社:東京都千代田区)、アニメ制作会社のトムス・エンタテインメント(本社:東京都中野区)、シンエイ動画(本社:東京都西東京市)、広告会社のジェイアール東日本企画(本社:東京都渋谷区)、総合商社の住友商事(本社:東京都中央区)。なぜ、この5社がタッグを組んでアニメを作るのか。

 「あにめのめ」は、フジテレビ系の「ノイタミナ」やMBSほかTBS系の「アニメイズム」のような放送枠の名称ではなく、アニメ製作におけるプロジェクトチームの名称。

 アニメの製作にあたっては多額の費用を必要とし、さまざまなスポンサーに出資を募るわけだが、「5社で製作委員会のある程度を担うことがあらかじめ決まっていれば、先手を打ってプロジェクトを進められる」という。しかも、トムスとシンエイは元請制作会社としてアニメーションの制作を、ジェイアール東日本企画は放送枠の取り扱い等広告会社業務、住友商事は海外展開、アスミック・エースは配信事業をそれぞれ担い、これからのアニメビジネスに必要な分野で強みを発揮できる座組となっている。

 企画に応じてこの5社に、DVDメーカーなどが加われば、製作委員会が完成。第1弾の『甘々と稲妻』は東映ビデオ、『TRICKSTER』はバンダイビジュアルが参加している。

 アニメ業界はリクープしない(出資金の回収ができない)作品も多いというのに、1クールに50本ちかい作品が放送されて供給過多の状況にある。何度も再放送されたり、続編が製作されたりする“勝ち組”はほんの一握りで、あまり話題にもならず埋もれてしまう作品がほとんど。そのため、ある程度成功が見込める漫画や小説など、話題性のある原作に頼る傾向が強まり、オリジナル作品はますます生まれにくくなっている。

 勝てる作品を生む“いい仕事”をするためにも、先手を取るということは非常に重要。早い段階で出資のめどが立てば、時間的にも余裕が生まれ、より魅力ある作品を作ることができる。さらに作品の魅力をファンに伝える戦略を取って、運任せではなく、確実にヒットを狙っていく。そのために手を組んだ5社なのだ。

 インターネットや携帯端末を介したコンテンツの提供が増大し、多様なメディアを通じた新しいサービスが展開する中、「あにめのめ」は台風のように年間いくつもの作品が生まれては消えていく厳しいアニメーション業界の“中心”で新風を吹かせることができるのか。

 第1弾『甘々と稲妻』は、『good!アフタヌーン』(講談社)で連載中の雨隠ギド氏原作の漫画を全12話でアニメ化。「料理をして大切な人たちと一緒にごはんを食べる」、一見ありふれた日常を情感豊かに描く。7月4日から放送が開始されたが、ファンからの反響や視聴率は好調な滑り出し。

 第2弾の『TRICKSTER』(全24話)は、江戸川乱歩の「少年探偵団」を原案に、時代設定を近未来に移したオリジナル作品。コミカライズや舞台化・実写映画化も決定している大型プロジェクトとなっている。

最終更新:7月14日(木)6時0分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。