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農産物輸出5月も前年割れ てこ入れへ経済対策

日本農業新聞 7月13日(水)12時31分配信

 政府の「強い農業」の看板政策、農林水産物・食品の輸出拡大が、ここにきて足踏み状態になっている。農水省が12日に公表した5月の輸出額は、前年同月比1.7%(10億円)減の547億円となった。前年割れは今年に入って3回目だ。日本食人気を背景に農産物の輸出は好調だが、大きな割合を占める水産物が不漁の影響を受け、為替動向も不透明さを増している。政府は、輸出額1兆円目標を達成するため、秋の経済対策に輸出拡大策を盛り込み、てこ入れする考えだ。

英EU離脱 円高拍車

 2015年の輸出額は7451億円と過去最高となったが、今年1月、約3年ぶりに前年同月比マイナスに転じた。その後も低調で、1~5月の累計は2916億円となり、前年同期から0.4%増にとどまる。

 米や茶など日本食人気に支えられた農産物は172億円増えた一方、水産物が160億円減り、全体としては微増だった。稼ぎ頭のホタテは2年前の天候不良で稚貝が十分に育たず、本格的な生産回復は18年ごろになるとみられている。

 5月は例年、輸出額が伸び悩む傾向があるが、16年は4月比で95億円も落ち込んだ。14年が同期間に30億円減だったのと比べると、減り方が際だっている。

 為替も影を落とす。5月時点で、昨年同時期より1割ほど円高が進み、「現地価格を上げざるを得ない業者もいる」(農水省輸出促進課)という。6月の英国の欧州連合(EU)離脱決定でさらに円高が進んでおり、輸出にはさらに厳しい環境となった。

 政府は、20年の農林水産物・食品の輸出額1兆円目標を1年前倒して達成を目指す。安倍晋三首相は、今後具体化する経済対策で、輸出対応型施設を全国に造る方針を明らかにした。

 森山裕農相は12日の会見で、鮮度を維持したまま農産物を大量輸出する輸送インフラ、輸出先が求めるHACCP(危害分析重要管理点)やイスラム圏向けのハラールに対応した食肉施設などの整備に意欲を示した。

日本農業新聞

最終更新:7月13日(水)12時31分

日本農業新聞