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干ししいたけ卸値V字回復 風評被害を克服したPR術

qBiz 西日本新聞経済電子版 7月13日(水)11時3分配信

 九州が最大産地の国産干ししいたけの2015年平均市場卸値が、前年比65%上昇の約4800円(1キロ当たり)になったことが、農林水産省の調べで分かった。東京電力福島第1原発事故の風評被害などで一時は大幅に下落したが、品薄感やPR活動により、V字回復を果たした。

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 国産干ししいたけの生産は九州が約8割を占め、そのうち約6割が大分産。近年の卸値のピークは08年の5022円だったが、安価な中国産の流入や東日本大震災により、13年には約半額の2565円に急落。「2千円台では原価割れ」(大分県椎茸(しいたけ)農業協同組合)の状態で、生産をやめる農家が続出した。

 その後、価格下落や天候不順により生産量が2割ほど減少し、15年春ごろには在庫不足が発生。一方では業界団体が国産品の安全性PRに力を入れたこともあって、価格が14年に上昇に転じた後は一気に値を戻し、市場では5千円以上の値を付けることも。生産者らでつくる「日本産・原木乾しいたけをすすめる会」(東京都)の清末守昭業務課長は「ようやく原発事故の風評被害を脱した」と胸をなで下ろす。

 4月の熊本地震では、熊本県椎茸農業協同組合の加工施設など同県内で9千万円を超える被害が発生。秋の採集シーズンに向けて復旧作業を急いでいる。

 生産量日本一の大分県椎茸農協によると品薄状態は当面続き、卸値は盆すぎからさらに上昇する見通しだという。

西日本新聞社

最終更新:7月13日(水)11時3分

qBiz 西日本新聞経済電子版