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大西卓哉宇宙飛行士の宇宙でのミッションは?--“宇宙飛行士を目指すタレント“黒田有彩が解説

SENSORS 7月13日(水)12時0分配信

中学生の頃NASAを訪れたことをきっかけに宇宙の魅力に惹かれ、宇宙のことを学ぶためには不可欠な物理を学ぶべく、大学では理学部物理学科に進学。大学在学時から現在まで、“宇宙の魅力を発信する“という立場から活動。宇宙飛行士を目指すタレント・黒田有彩による連載。
今回は、約4か月ISS国際宇宙ステーションに滞在する大西卓哉宇宙飛行士の、宇宙での活動にフォーカス。大西飛行士はどのようなミッションに取り組むのか?宇宙飛行士を目指すタレント・黒田有彩が分かりやすく解説します。

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黒田有彩です。7月7日、日本時間午前10時36分頃、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からロシアの宇宙船「ソユーズ」が打ち上げられ、大西卓哉宇宙飛行士が、ロシアのアナトーリ・イヴァニシン船長と、アメリカのキャスリーン・ルビンズ宇宙飛行士とともに、ISS国際宇宙ステーションへと旅立たれました。

“日本にしかできない“ミッションも

今回のミッションテーマは「信頼を、さらに強く。日本にしか できないことがある。」

“日本にしかできないミッション“を確実に遂行することで、日本がISS計画の根幹を支えるパートナーとして欠かせない存在であることを示すミッションです。では、“日本にしかできないミッション“とは、一体どんなものなのでしょうか。

大西宇宙飛行士が長期滞在中に実施されるJAXA利用実験活動は、約20ミッションあります。
テーマを分野別で分けると、生命科学実験が5つ、応用利用が1つ、宇宙医学実験が4つ、物理科学実験が2つ、有人宇宙技術開発が2つ、船外利用が6つなどとなっています。その主なミッションを、この連載でも何回かに分けてご紹介します。

生命科学実験の一つとして、小動物(マウス)の長期飼育があります。
微小重力環境では体を支える骨や筋肉が弱くなり、免疫機能が低下するといった変化が見られます。これらは高齢者にみられる加齢による疾患によく似ている上、宇宙では骨の量が減る速さは10倍、筋肉については2倍と言われ急速です。つまり、宇宙環境は加齢に似た変化が急速に進行する環境といえるのです。
その環境で、ヒトと同じ哺乳類であるマウスを、約30日間飼育可能なケージで飼育・観察します。飼育装置は微小重力区(0G)と人工重力区(1G)に各6個ずつセットし、純粋に重力のあるなしの影響を比較していきます。
将来的には、この結果をもとに、さまざまな病態状態のマウスによる宇宙での創薬研究などに生かされていく予定です。これからの日本の課題である高齢化対策、そして健康長寿社会の実現へと導いてくれるひとつが、このマウスの実験なのではないでしょうか。

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最終更新:7月13日(水)12時1分

SENSORS