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いすゞ、GMと提携加速。商用車特有の「地場の強さ」生かす

ニュースイッチ 7月13日(水)8時20分配信

まず米国とインドで。商用車版「日産+ルノー」狙う

 いすゞ自動車は米ゼネラル・モーターズ(GM)との業務提携を拡大する。8月にも米国で自動車整備の研修機能などを持つ拠点を新設し、GMの整備士を受け入れる。インドでは排出ガス規制に対応したディーゼルエンジンを共有する。GMは経営危機を受け、2006年にいすゞとの資本提携を解消したが、開発や生産などで業務提携を継続してきた。いすゞは米国やインドでGMの販売力を活用し、シナジーを引き出す。

 いすゞとGMが業務提携を拡大する背景には、商用車特有の「地場の強さ」がある。商用車は地域のインフラ整備などに合わせて進化しており、外資の参入障壁は低くない。

 独ダイムラーが三菱ふそうトラック・バスを、スウェーデンのボルボがUDトラックスを買収したのもアジアでの地位を獲得するためだ。いすゞとGMの関係は、支配関係ではなく弱みを補う補完関係にあり、日産自動車・仏ルノー連合の商用車版とも言えそうだ。

 今回いすゞとGMが提携を拡大する地域は米国とインド。まず米国商用車の地場の事情をみると、トラックの正面が前に突き出たボンネット型が主流だ。独ダイムラーは1981年に米フレートライナーを、ボルボは01年に米マック・トラックを傘下に収めた。ボンネット型の商品群の拡充や事業強化が目的とみられ、15年の中大型トラック市場はフレートライナーが首位だった。

 いすゞはエンジンの上にキャブ(運転席)を配置したキャブオーバー型トラック市場で約8割を占める。今回の提携拡大を通してGMの顧客基盤をいかす。GMにとってもインターネット通販の普及で都市部の小口配送拡大が見込まれる同市場は魅力で、両社の思惑が一致したとみられる。

 トラックは点検や修理などのアフターサービスも競争力を左右する。また修理の際に補修部品が手元になければ作業にかかれないため、整備技術とともに効率的な部品供給も重要になる。いすゞはGMとアフターサービスの後方支援でも連携することで販売を後押し、部品供給を含めた整備需要の取り込みも図る。

 一方、インドでは、ピックアップトラック市場で現地のマヒンドラ・アンド・マヒンドラやタタ・モータースが大半を占める。価格競争も厳しく、いすゞにとってGMと組むことは主要部品のディーゼルエンジンを現地調達できるメリットがある。また商用車は乗用車と異なり、1車種ごとの生産販売量が少ない。部品を共通化して規模を確保することも重要で、すでに進出するGMとの連携をテコに量産効果を引き出す。

 日産とルノーのCEOを務めるカルロス・ゴーン氏が展開する提携戦略は、支配ではなく対等なパートナー関係を前提とする。三菱自動車が燃費不正問題を受け日産傘下入りを決めたのも、提携先の自主性を尊重するゴーン流が、益子修三菱自会長兼社長の考えになじみやすかったことがある。

 一方、世界商用車2強のダイムラーやボルボが描く提携戦略は、大型トラックのエンジンを世界で共通化するなど、一つのグループとして協業効果を最大化して利益を生み出す“支配”色が強い。いすゞとGMはそれぞれ商用車と乗用車を主力とし、事業が重複しない面もあるが、互いに連携できる分野でシナジーを享受する点では、他の商用車メーカーとは異なる動きだと言えそうだ。

《マツダとの提携》

 いすゞ自動車は米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発する次世代ピックアップトラックをマツダにOEM(相手先ブランド)供給することでこのほど基本合意した。

 いすゞがピックアップトラックをOEM供給するのは初めて。いすゞはタイの生産拠点でノックダウン(KD)生産を含め、ピックアップトラックやその派生車を2016年3月期に計約31万台生産。マツダはいすゞのタイの生産拠点から年約4万台のOEM調達を見込む。

 一方、OEM供給する次世代ピックアップトラックはいすゞとGMの共同開発で3世代目にあたり、部品の共同購買に乗り出すのが特徴。マツダへのOEM供給と合わせて量産効果をさらに高め、コスト競争力に磨きをかける。

最終更新:7月13日(水)8時20分

ニュースイッチ

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