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毛髪を増やす画期的な治療!自分の「毛包」再生するヒトへの臨床応用研究がスタート

日刊工業新聞電子版 7月13日(水)13時46分配信

将来は他の臓器にも展開

 京セラ、理化学研究所、オーガンテクノロジーズ(東京都港区)の3者は12日、毛を生やす小器官「毛包」の再生による脱毛症治療について、ヒトへの臨床応用に向けた共同研究契約を結んだと発表した。患者の毛髪の残る部分の頭皮から、毛包の基となる幹細胞を採取して加工し、患者自身の脱毛部に移植する自家移植技術を開発する。2020年の実用化を目指す。

 京セラは細胞加工機器の開発などを担当する。同社の強みである微細加工技術を生かし、移植用の細胞を大量かつ安定して作る技術を確立する。理研とオーガンテクノロジーズは幹細胞の培養技術や、モデル動物を使った前臨床試験などの技術開発を手がける。

 同日、都内で会見した京セラの稲垣正祥執行役員研究開発本部長は「実現可能な毛包再生の分野で実績を示し、ほかの臓器再生につなげたい」と述べた。理研多細胞システム形成研究センター器官誘導研究チームの辻孝チームリーダーは「将来は、先天性の脱毛症の患者に他人の毛包に由来する細胞を移植する他家移植も想定している」と展望を示した。

 辻チームリーダーらの研究チームはマウスの実験で、細胞移植により毛包が再生することを実証している。16年4月には、毛包を含む皮膚組織をマウス由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から再生することにも成功。ただ、iPS細胞からの再生技術はまだ基礎研究段階で、3者の共同研究では使わない。

最終更新:7月13日(水)13時46分

日刊工業新聞電子版