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中国・美的のクカTOB、目標の30%超え。ロボット業界に波乱の芽

ニュースイッチ 7月13日(水)12時10分配信

「協業については非常に楽観的に捉えている」(クカ)

 中国家電大手の美的集団がドイツのクカに対して実施しているTOB(株式公開買い付け)が、成功する見通しとなった。美的は産業用ロボットで世界トップ級のシェアを誇るクカを傘下に収め、工場自動化(FA)技術を取り込みたい考えだ。ドイツのフォイトなど大株主がTOBに応じたため、持ち株比率が当初目標の30%を超えることが確実となった。FA需要が急拡大する中国の有力企業とクカが組むことで、ロボット業界が大きく変わる可能性がある。

 筆頭株主のフォイトと、美的に次ぐ第3位株主である実業家のフリードヘルム・ロー氏が、このほどTOBを受け入れた。これにより美的は、クカ株の35・1%を確保。既存の13・5%と合わせると、持ち株比率はこれだけで48・6%にまで達する。また他の株主も、多くがTOBに応じる見通しだ。

 美的とクカはすでに、クカ側の独立性や雇用などを保証する協定を締結済み。このため、クカの世界戦略が直ちに変更される可能性は低い。ただ、ロボットの最大需要地として成長している中国市場では、話は別かもしれない。

 ロボット事業を担うクカ・ロボターのステファン・ランパ最高経営責任者(CEO)は、「美的はパートナーとして非常に心強い存在。協業については非常に楽観的に捉えている」と話す。美的の強みの一つが、中国国内に持つ強力な販売網。これをクカが活用すれば、大きな追い風になるだろう。

 クカにとって、中国はさらなる成長が見込める重要市場だ。新製品の「KR3アギルス」を中国で先行発売したことからも、その期待値の高さがうかがえる。一方、美的はすでに日系ロボット大手の安川電機と提携している。TOBの成功により、今後の両社の関係性にも関心が集まりそうだ。

 また美的は安川電機に続いて、中国系ロボットメーカーの安徽埃夫特智能装備(Efort)の株式約17%も取得している。ロボット技術を手にした美的が今後どう動くか。特に家電事業と親和性があるサービスロボット分野での動きが注目される。

最終更新:7月13日(水)12時10分

ニュースイッチ