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【MLB】野球に「恋に落ちた」ブラジル人 日本文化で育ったメジャーリーガーの夢

Full-Count 7/13(水) 14:27配信

東京五輪での代表入りに思い馳せるゴームズ

 メジャーリーグでは試合前に国歌斉唱が場内に流れ、選手も帽子をとってベンチ前に整列するのが慣例となっている。2012年にブラジル人初のメジャーリーガーとなったクリーブランド・インディアンスのヤン・ゴームズ捕手(28)は、常に国際試合でピッチに立つサッカーのブラジル代表のような気分で国歌を聞いているという。

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「私はメジャーリーグでブラジルを代表してプレーしている。現在、メジャーリーグで3人のブラジル出身選手がいる。マイナーにも将来有望な選手が増えてきているし、日本でプレーする選手もいる。今後、トレンドとして野球をする若者が増えてくれればいい」と母国の野球界を背負う気持ちは強い。

 今年は8月にブラジルでリオ五輪が行われる。母国でのビッグイベント開催まで2週間余りとなり、ゴームズは「ブラジルの家族や知人から聞く限り、盛り上がっているようだね。ベースボールがないのは残念だが、すごく楽しみにしているんだ」と興奮気味に話す。

 ブラジルで五輪はサッカーのワールドカップと並ぶ国民的関心行事。「オリンピックは単なるスポーツイベントではない。もしブラジル人が金メダルを取ったものなら、一躍ヒーロー扱いさ。日本も同じように熱狂的だと聞いている。だから、次の2020年が東京ということも自分にとっては興味深い」。

リオ五輪の問題に心痛める、「無事に開催されることを願っている」

 多くの子どもがサッカーボールで遊ぶ文化にあるブラジルで、日系人コミュニティーで育ったゴームズは友人に誘われて始めたベースボールに「恋に落ちた」と言う。日系人コーチの指導から「練習と準備の大切さ」を学び実力をつけた。日系人の奥さんの影響もあり、日本に対して特別な思いを抱いている。

 2020年の東京五輪で野球の競技復活の可能性があることについても「チームが許可してくれれば、もちろん出たい」と前向きに話す。「私は日本文化の中で育った。初めて日本に行く機会が、オリンピックになれば最高だ」と思いを馳せる。

 さらに、来年開催予定のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に対しても特別な思いを抱いている。2012年に予選会でプレーし、「サッカーのブラジル代表選手の気持ちが分かったような気がした。生涯忘れることのない特別な経験だった」と語る。予選会はシーズン中に行われるため出場できないが、「もし本戦出場が決まれば、もちろんブラジル代表としてプレーしたい」と意欲を示す。

 また、ゴームズはジカ熱や治安の不安からNBA選手やプロゴルファーらのリオ五輪出場辞退が相次ぐ事態に胸を痛めている。健康面を案じる選手の心情を理解できると前置きした上で、「私はアメリカに住んでいるので詳しいことは言えないが、知人からの話を聞く限り、ブラジルの人々はジカ熱についてそこまで不安を抱いていないようだ。オリンピックは世界中の人々が手を止めて注目するイベント。全ての人々が不安なく楽しむことが第一だから、治安と健康面の問題を解消して無事に開催されることを願っている」。

伊武弘多●文 text by kouta Ibu

最終更新:7/13(水) 14:39

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