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外交部長官の反対押し切り「THAAD配備決定」強行

ハンギョレ新聞 7月13日(水)6時36分配信

ユン・ビョンセ外交部長官、最後まで反対を固守 「対北朝鮮制裁に向けた国際協力損ねる」  一部関係者は米国の圧力による早期発表を示唆

 政府の高高度防衛ミサイル(THAAD<サード>)配備の早期決定に対し、北朝鮮の核・ミサイル対応の主務長官であるユン・ビョンセ外交部長官が最後まで反対意見を示したことが12日、複数の政府関係者の証言で確認された。韓米政府が8日に在韓米軍のTHAAD配備を決定したと発表したことに対し、中国やロシアなど周辺国と野党、多数の専門家だけでなく、北朝鮮の核問題への対応を任されている外交部長官まで反対意見を示したもので、波紋が予想される。何よりも朴槿恵(パククネ)大統領が、主務省庁の長官の強力な反対意見にもかかわらず、THAAD配備の方針を予想より早く決定した背景をめぐり論争が起きそうだ。

 THAAD配備問題と関連した政府の内部事情に詳しい複数の政府関係者は12日、「ユン・ビョンセ外交部長官は政府がTHAAD配備の方針を早期決定するのに最後まで反対した」と話した。政府のある関係者は「ユン長官は北朝鮮の4回目の核実験と相次ぐ弾道ミサイル発射に対抗し、対北朝鮮制裁の国際協力を構築して強化していかなければならない時期にTHAAD配備を早期決定するのは、中国とロシアの反発など国際協力を損ねるおそれがあるという理由を挙げ、反対意見を明らかにしたと聞いている」と伝えた。政府の別の関係者は「国防部は当初からTHAADの導入に積極的だった」としたうえで、「特に6月22日、北朝鮮がムスダン弾道ミサイルを発射した直後から国防部の態度がさらに積極的に変わった」と話した。同関係者は「対北朝鮮制裁の国際協力を重視する外交部と、北朝鮮に対する軍事対応能力の強化を強調してきた国防部の間で、大統領が国防部の意見に傾いたものと思われる」と付け加えた。ハン・ミング国防部長官は今月11日、国会国防委員会に出席し、THAAD配備問題と関連して4日に関係省庁協議を行い、7日に国家安全保障会議(NSC)を開いて在韓米軍のTHAAD配備を政府レベルで最終決定したと述べた。

 ユン・ビョンセ長官のTHAAD配備方針の早期決定に対する反対には、吟味すべき部分が多い。 ユン長官は無色無臭と指摘されるほど慎重な性格のうえに、大統領の意中を素早くキャッチし政策方向を合わせる能力に長けていると評価されてきた。そんなユン長官が反対意見を示したのは、北朝鮮の核・ミサイル対応と関連した国際協調を担当する主務長官として、THAAD配備決定の影響に対する懸念の大きさを物語っていると言える。外交部関係者は「対北朝鮮制裁に向けた国際協力の成否は、中国の協力にかかっているが、THAAD配備の早期決定で中国の協力を得るのがさらに厳しくなった」としたうえで、「外交部としては正直にいって戸惑っている」と語った。実際に中国政府は韓米政府のTHAAD配備決定に対抗し、対応のレベルを急速に高めている。

 THAADに対する中ロの反対は、国連安全保障理事会における北朝鮮核問題への対応にも否定的影響を及ぼす見通しだ。中国の習近平国家主席とプーチン・ロシア大統領は「THAADの朝鮮半島配備は北東アジアの戦略的均衡を破壊する」として、THAAD配備に反対するという共同声明を2回(6月23、25日)も発表した。外交部の高官は「北朝鮮の4回目の核実験後、国連安保理は北朝鮮の弾道ミサイル発射のたびに糾弾メディア声明を直ちに発表してきた」としたうえで、「北朝鮮が9日に潜水艦発射弾道ミサイルを発射したことについて、安保理レベルの糾弾声明の採択が先送りになるか、白紙化されれば、北朝鮮の核問題に対する国際協力に異常な兆候が発生したと言ってもいいかもしれない」と指摘した。実際に、国連安保理は、北朝鮮がムスダンミサイル(4月15日、6月22日)や潜水艦発射弾道ミサイル(4月23日)を発射した際には、例外なく翌日に「糾弾報道声明」を発表した。しかし、9日、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル発射については3日間、いかなる反応も示されていない。

 朴大統領はなぜ国内外の強い反発が予想されるにもかかわらず、THAAD配備の方針を急いで決定したのだろうか。政府関係者は「THAADを配備する方針の決定と関連した韓米共同発表文の『韓米同盟レベルの決定』という文言に注目してほしい」と話す。米国の圧力があったことを示唆する発言だ。これと関連し、朝日新聞は10日付で、韓国がTHAAD配備決定の発表を10月の韓米年次安保協議会(SCM)まで保留することを提案したが、米国が発表時期を前倒しするように韓国を圧迫したと報じた。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月13日(水)6時36分

ハンギョレ新聞