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【コラム】Shout it Outの青春はなぜオヤジの心を揺らすのか? ハタチのロックを考える

RO69(アールオーロック) 7月13日(水)17時30分配信

等身大の青春を描くことで、こんなにも頭のてっぺんからつま先までをビリビリと痺れさせることが出来るのか。山内彰馬(Vo・G)、露口仁也(G)、たいたい(B)、細川千広(Dr)の4人全員が1996年生まれ(山内はつい先頃の7/10に二十歳の誕生日を迎えたばかり)の同い年、Shout it Outのメジャーデビューシングル『青春のすべて』を聴いて、そんなことを思う。

高校在学中から、Shout it Outは10代アーティスト限定のオーディション「閃光ライオット」に挑戦し続け、その後継フェス「未確認フェスティバル2015」で見事グランプリを勝ち取った。今年3月に発表したシングル『僕たちが歌う明日のこと』に収録の“逆光”は「未確認フェスティバル2016」の公式応援ソングとなり、すでに十代の後輩アーティストたちをリードする役回りを担っている。

《不確かでも歩いていく/青春の行方を追いかけていたいんだ/確かな明日なんていらないよ/僕らいつだって ここで今を生きている》(“青春のすべて”)。こんな逃げも隠れもしない、背伸びもしない真っ直ぐな若い世代の声が、巧みにデザインされたソリッドなギターリフに、ドライブ感溢れるベースラインに、鮮烈さと表情の豊かさを併せ持つビートに乗せて、放たれるのである。

ロックの歴史の中では、実は「等身大」の表現というものが敬遠されがちなこともあった。例えば、退屈な日常に揺さぶりをかけるべきロックが、退屈な日常を「等身大」で鳴らしてどうするのだ、といった論調である。ところが、Shout it Outのロックは等身大のまま、思いっきり日常に揺さぶりをかけてくる。未来に不安を抱く若い姿をありのままに曝け出し、頼るべきロックサウンドの力を最大限に引き出してみせる。

最新シングル『青春のすべて』では、爆走グルーヴと心模様の移ろいが重なって駆け抜ける“列車”や、とめどなく思い悩む思考をそのままエキサイティングなアンサンブルに転化してみせる“一から”といった収録曲も素晴らしいのだが、「よしいくぜ、みんな」と落ち着いた掛け声から始まる“ギターと月と缶コーヒー”が最後に深く胸に染み入る。若く等身大のまま、彼らは完璧なブルースを鳴らし、歌っているのだ。

Shout it Outにとって、青春とは遠い目をして懐かしむ思い出ではなく、必死に足掻いて生き抜くべき現在である。その手応えが、彼らの倍以上の年齢を重ねている僕のようなロックリスナーにも突き刺さる。彼らはこの8月に、2マンツアー「虎の威を借り、狩られる狐」を開催(東京8月3日、名古屋8月30日、大阪8月31日)する一方で、2016年8月7日(日)にはROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016にもHILLSIDE STAGEのトップバッターとして出演予定だ。ぜひその雄姿を目に焼き付けてほしい。(小池宏和)

RO69(アールオーロック)

最終更新:7月13日(水)17時30分

RO69(アールオーロック)

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。