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世界の新鋭が集う“SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016”開幕に先駆け、日本人監督を直撃

ぴあ映画生活 7月14日(木)10時42分配信

これからの世界の映画シーンを賑わすかもしれない新世代監督が結集するデジタルシネマの祭典“SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016”が16日に開幕を迎える。今年はメイン・プログラムの長編コンペティション部門には、過去最多となる88の国と地域から、計715作品の応募があり、その中から海外9本、国内3本の計12作品が選出された。世界の中に入って、日本人監督の受賞はあるのか注目だ。

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今年はすでに国内映画祭などで受賞や入選歴を持つ実績のある若手監督3人が登場。各監督に抱負を聞いた。

まず、『見栄を張る』の藤村明世監督はまだ20代半ばの新鋭。2014年に発表した短編『彼は月へ行った』が第36回ぴあフィルムフェスティバルなどに入選して注目を集めた。今回の初長編となる1作は、女優になる夢を諦めつつある女性、絵梨子が主人公。姉の死をきっかけに自身を見つめ直した彼女の新たな一歩が鮮やかに描き出される。「絵梨子は、なかなか夢であった自身の映画作りに踏み出せないでいたころの自分が少なからず反映されている。なかなか夢に向かって踏み出せないでいる私と同世代の人に特に見てもらえたらうれしい。海外作品と並んだとき、どんな評価を受けるのか今から楽しみです」と藤村監督は語る。

一方、プロレスと商品紹介を融合させた通販番組に生きがいを見い出した若きADの姿をユーモアを交えて描いた『いたくても いたくても』を手掛けた堀江貴大監督は、真利子哲也ら新鋭監督が続々と出現している東京藝術大学大学院映像研究科出身。その修了制作作品となる本作は、すでに“第16回TAMA NEW WAVEコンペティション”でグランプリほか3冠に輝いている。「主人公の星野は傍から見ると使えないヤツで片付けられてしまうタイプ。でも、実直で努力を惜しまない。そんな不器用な人間の心に寄り添いたかった。今の時代、もっと何か寛容な心があってもいいのではないかと思って」と堀江監督は語る。

また、『園田という種目』は、舞台役者を経て映画製作をはじめ、現在は舞台と映画の双方で創作活動を展開する太田真博監督の初長編映画。罪を犯した映画監督の肖像が、彼を登場させず周囲の人間たちの会話から浮かび上がらせていく意欲作になっている。「物語は実体験がもとになっています。あまりに赤裸々に自分をさらけ出していて、そう遠くない日の自分の日記を改めて読み返しているようなすごく恥ずかしい気分になるのですが、もう楽しんでいただけたら本望です」と太田監督。一方、主演を務めた女優の松下倖子は「埼玉出身なので地元で上映できるのはうれしい限り。ひとりでも多くの人に見てもらえたら」と言葉を寄せる。

今年は、ほかにもアメリカを拠点に活動する福永壮志監督の『アウト・オブ・マイ・ハンド』もアメリカ映画として選出。ほかにもバヌアツ共和国から届いた『タンナ』やキルギス映画『アンダー・ヘヴン』など、多種多様な国の新鋭監督の作品が集まっている。どんな結果になるのか注目したい。

“SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2016”
会期:7月16日(土)~7月24日(日)
会場:SKIPシティ(埼玉県川口市)ほか
※映画祭期間中はJR京浜東北線川口駅東口より無料直行バスを運行
問合せ:048-263-0818(映画祭事務局)

取材・文・写真:水上賢治

最終更新:7月15日(金)18時5分

ぴあ映画生活