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あなたの知らない札幌《ちえりあ》前編 明治開拓期の寺子屋跡近くに設立

THE PAGE 7月14日(木)11時0分配信

 【北海道・札幌】人口200万人の声も聞こえる北の大都市・札幌。その札幌には、多くの観光地や名物施設があります。とはいえ、札幌市民ですらそれらのすべてを知っているわけではありません。そこで「あなたの知らない札幌」と題した企画をスタート。第8回前編は、昨年開館15周年をむかえた札幌市生涯学習センター「ちえりあ」(札幌市西区)の須田眞彰さんに、同館の知られざる芸術作品について伺いました。(構成/橋場了吾)

あなたの知らない札幌

生涯学習施設にぴったり 寺子屋「時習館」跡近くに開設

 ちえりあは、2000(平成12)年にオープンした施設で、「生涯学習センター」「宮の沢若者活動センター」「教育センター」「リサイクルプラザ」という4施設からなる複合公共施設です。その中心になっているのが「生涯学習センター」で、定員436名のホールのほか大中小さまざまな研修室・スタジオを持っています。

 ちえりあのある札幌市西区宮の沢は、札幌市最古の教育施設ともいえる明治開拓期に建てられた寺子屋「時習館」跡地の程近くにあります。「生涯学習」を目的とするこの施設の場所としてはぴったりということで、この場所に設立されました。

数多くの知られざる芸術作品

 そして、そのような場所にふさわしい芸術作品を設置しようということで、9名の芸術家が施設のためにさまざまな作品を作ってくれました。ガイド版はあるのですが、なかなかわかりづらい場所にあったり、滅多に目に触れない場所にあったり、広く知られていない作品もあります。

 その中のひとつが、ちえりあホールの緞帳(どんちょう)です。『北の空に浮かぶカタチ』という作品なのですが、大学在学中に別海町の牧場で1年間過ごしていたという美術家・大竹伸朗さんが手がけました。この緞帳、実はあまり見ることができません。というのも、ちえりあホールで開催されるイベントでは、お客さんが入る時間には緞帳を上げておくことが多く、終演後もお客さんがホールを出てから下げることが多いためです。

 この『北の空に浮かぶカタチ』、大竹さんの代表的な作品ということもあり、設置後に一度外して東京で開催された大竹さんの個展に出展したことがあります。これがとても大変でして、幅17mある緞帳を少しずつおろしながら巻き取っていってロールにするので、とんでもない長さの郵送物になるのです。特殊な車両で移送してまた戻って来て、ということはほかの施設の緞帳ではほとんどないことだと思います。

 あとは、上を向けば気づくのですが、ホールホワイエにある『移ろう月』(小樽市生まれの彫刻家・國松明日香さんの作品)や、ロビーの吹き抜け上部に吊るされている『学ンデ時ニコレヲ習フ』(根室市生まれの芸術家・岡部昌生さんの作品)はいつでも見ることができます。特に後者は、時習館跡近くの路地100mの路上を特殊な布に擦り取ってできた作品なので、正方形の排水溝などもくっきり浮き出ています。

 このような芸術作品が設置されているちえりあなのですが、実は希少なあるものがたくさんあります。それは、昭和40年代以前生まれの方々にはとても懐かしいものなのです。

(後編へ続く)

最終更新:7月14日(木)11時0分

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