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京大初のプロ野球選手が東大エース・宮台に激エール

東スポWeb 7月14日(木)6時0分配信

 侍デビューする東大エースに心強い理解者が現れた。ロッテ二軍で調整中の田中英祐投手(24)が、第40回日米大学野球選手権大会第3戦(15日、神宮)で先発する予定の東大左腕・宮台康平投手(3年)にエールを送った。プロ2年目のシーズンでもがき苦しむ“京大史上最強右腕”が“東大史上最強左腕”に贈った金言は「バカになれ」。その真意は――。

 田中英は京大史上初のプロ野球選手として昨春、世間を沸かせた。しかし、現在は二軍のマウンドに立つことすらなく、ファームで一からフォーム作りに励んでいる。「今は…我慢の時期ですね。自分のなかで段階を決めて、そこからひとつずつという感じ。今は始動の位置と、リズムだけを考えて投げている。ようやく形ができてきたかなというのが現状です」

 プロ1年目のシーズンとなった昨季は開幕から二軍戦で2試合連続の無失点勝利。4月29日、一軍でのプロ初登板、初先発の機会がめぐってくる。3万人の観衆が見守る本拠地QVCマリンフィールドでの西武とのデビュー戦は3回を投げて5失点。さらに2日後の日本ハム戦でもリリーフ登板し、3回4失点。結果を残せないまま二軍降格を言い渡された。

 田中英の試練はそこから始まる。「このままでは通用しないと思って、フォームの矯正に取り組んだんです。気がつけば今まで自分がどう投げてたのかもわからなくなっていた」。昨年7月11日の二軍戦で投げた1イニングを最後に、一度も実戦のマウンドに立てない日々が続く。

 プロ入りの際、両親からは「地獄を見てこい」と強い言葉で送り出された。今、その“地獄”でもがき苦しむ男にとって、似た境遇の宮台の台頭はうれしい知らせだ。「懐かしいですね。いろいろ聞きにきて、熱心な子だなという印象だった」

 学生時代は東大―京大の定期戦で顔を合わせた旧知の間柄。田中英が4年の時に1年だった宮台からピッチングに関する様々な質問を受けている。宮台も「具体的な話の内容そのものよりも『考えて野球をやっているな』という印象が強かった。考えて投げる、意味を持って投げるって大事なんだと。僕も頭を使って野球をやるようになりました」と強い影響を受けたことを明かしているが、田中英はむしろその姿勢を懸念する。

「できるだけシンプルに、頭を使いすぎないことですね。マウンドで打者と対峙したときに配球などに頭を使うのはいいんですが、僕の場合、それが対打者でなく対自分の方に向いてしまった。いろんな人からいろんな話を聞いてあれこれ考え始めるうちに、何が正しいのかわからなくなった」。昨季の自身の反省を踏まえ「バカになれというか、投球スタイルに関しては考えすぎず、感性を大事にすることも大切」と金言を贈る。

 これを受けた宮台は「(田中さんの)おっしゃるとおりだと思う。僕らはできないと『頭を使え』と言われるんですけど、本当にできるなら最初からやれるはず。できないことはできないと割り切って考えないとダメ、ということだと思います」と“解釈”。この代表合宿中も「一回の投げ込みは30球」という自分が決めたルールは変えていない。憧れの存在である田中英から「彼はまだ3年生。1年後、とんでもないピッチャーになってるかもしれない」とエールをもらった宮台は、金言を胸に15日のマウンドに挑む。

最終更新:7月14日(木)6時59分

東スポWeb

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