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【五輪出場表明】錦織「金メダル」への落とし穴

東スポWeb 7月14日(木)7時9分配信

 金メダル獲得のカギは「心」にあり。男子テニスの世界ランキング6位・錦織圭(26=日清食品)は12日、都内でLIXILのイベントに出演し、リオ五輪出撃を表明。負傷の回復具合が気になるところだが、関係者からは「体」よりも、精神面の引き締めを促す声が上がっている。世界の強豪と互角以上の「技」を持つ錦織の周辺でささやかれる不安とは一体何なのか――。

 錦織にとって3大会連続となる五輪の舞台。男子ツアーのポイントがつかない大会のため、プロ選手としては名誉のみを懸けた一戦だが「より日本人として戦える場」と出場の意義を強調した。ベスト8に終わったロンドン五輪以上の成績も約束。「金メダルを狙って頑張りたい」と笑みを見せた。

 出場回避者続出のゴルフと違い、世界ランキング上位選手は揃って出場予定。それだけに4大大会と同じくらいの価値がある。日本人選手がテニスでメダル獲得となると、1920年アントワープ五輪男子シングルスの熊谷一弥、同ダブルスの熊谷、柏尾誠一郎組の銀メダル以来。錦織は96年ぶりの快挙を目指して日の丸を背負う。

 ただ、先のウィンブルドン選手権4回戦で途中棄権の原因となった左脇腹は完治しておらず、錦織も「あと1週間あればテニスは再開できると思う」と慎重な言い回しに終始した。すでに来週18日開幕のシティ・オープンは回避を表明。前年優勝者でありながら、調整を優先した。それだけに、次戦のロジャーズ・カップ(25日開幕、トロント)までにどこまで回復するかが、リオの成績も左右しそうだ。

 一方で、錦織を知るテニス関係者はメンタル面もポイントに挙げる。

「今、稼ぎ頭じゃないですか。世界29位で36億(円)も稼ぐ。そうすると、ハングリーじゃなくなってきますよね。どこかに緩みが出てくる」
 錦織は米経済誌フォーブス(電子版)が8日に発表した最新のスポーツ長者番付で日本人トップの29位にランクイン。その目に見えない“副作用”を懸念しているのだ。

 幸い、反面教師は近くにいる。ウィンブルドンで不可解な3回戦敗退を喫した同1位ノバク・ジョコビッチ(29=セルビア)だ。
「今回のジョコビッチも、バーンアウト(燃え尽き症候群)だと言われている。フレンチを取ったというので気が緩んで、ウィンブルドンで集中できなかった」(同)

 ジョコビッチは5月の全仏オープンで優勝し、悲願の4大大会全制覇を達成している。心に隙があれば、相手もそれに食らいつくのが勝負の世界。体調さえ戻ればリオでの金メダル争いは確実と見られる錦織だが、油断は禁物だ。

最終更新:7月14日(木)7時51分

東スポWeb